【春季京都大会】龍谷大平安が4強進出!エース・大西が1失点完投
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1失点完投勝利を収めた龍谷大平安先発の大西傳心
<春季京都府高校野球大会:龍谷大平安5-1福知山成美>◇11日◇2次戦準々決勝◇わかさスタジアム京都
昨秋は4回戦で敗退した龍谷大平安。「考える力がないところからスタートして、細かなキャッチボールや基本的なことから積み重ねてきたチーム」と4番捕手で主将の藤原一輝(3年)は言う。
現3年生では唯一、昨春の甲子園でベンチ入りしていた藤原は「経験を下に受け継がないといけない」と自ら主将に立候補。選手としては最速で1.84秒の二塁送球を誇る強肩捕手で、初回の投球練習では相手の福知山成美応援席が感嘆の声を漏らすほどの鋭いスローイングを披露した。
先発は3月以降の練習試合で好結果を残し、エースナンバーを掴んだ左腕の大西 傳心(3年)。手元で伸びるストレートを投げる投手だが、課題の立ち上がりを捉えられ、1回表に1点を先制される。
打線は2回裏に相手のボークで同点とするが、2回裏、4回裏と一死満塁から併殺に倒れるなど、チャンスであと一本出ない展開が続いた。
勝ち越したい龍谷大平安は7回裏に先頭の9番・大西がライトオーバーの二塁打で出塁すると、1番・池山 勇祐(3年)が犠打を決めて、一死三塁とする。
ここで2番・高橋 琉(3年)に対して原田 英彦監督が出したサインはエンドラン。高橋は見事に高いバウンドのゴロを放ち、大西を本塁に還した(記録は二塁への適時内野安打)。
「ああいう戦法は増えてくると思います。センバツでもやっているところもあったので。簡単に外野フライというわけにはいかないですから」と原田監督。今年から低反発の新基準バットが導入されたこともあり、こうした小技も抜かりなく鍛え上げている。
これで試合のペースを掴んだ龍谷大平安はこの回に4得点。尻上がりに調子を上げた大西も中盤から「生命線」と藤原が話す右打者の内角へのストレートが決まりだし、三振の数を増やしていった。
大西は7安打1四球11奪三振で1失点完投。エースらしい投球でチームに勝利をもたらした。
今年のチームについて、「まだわからないですね」と話した原田監督。新チームになってから、京都のメイン球場であるわかさスタジアム京都で試合をするのはこれが初めてで、この春は経験を積ませることをメインに考えているようだ。
4強に進んだことで、少なくともあと2試合は公式戦を戦うことができる。京都を代表する名門は夏に向けて、着々と足並みを整えている。