Interview

目指すは世界一!代表候補の座を射止めた6人の逸材たち

2024.05.03


112キロの剛腕・松村勇太、長身右腕・阿部敏久のWエース

関東地区からは6名の選手を候補選手に選出したが、そのなかで2名が投手1本で選考会に参加。そのうちの1人、江東ライオンズ・松村勇太はピッチングで112キロを計測。会場をざわつかせた。

170センチ、72キロと恵まれた体格が印象的な松村。ワインドアップから力強いフォームで剛速球を投げ込む姿が印象深かった。本人はそれほど驚いていないようだったが、それは普段からの練習の成果を、日に日に感じていたからだ。

「最近は意識して体幹トレーニングをしていたので、その成果が出ているんだと思います。実際、軸足にきちんと乗せてから体重移動することを心掛けるようになると、自然と下半身を使って投げられるようになっていると思います」

まだ中学1年生ながら、ピッチングに必要な技術を覚え始めている松村。これからの3年間でどんな投手になるのか非常に楽しみだが、それは、このコメントからも感じられた。
「今日参加した同年代の投手を見て頼もしく思ったところもありますが、自分はもっと頑張って、ライバルたちを超えられるようになりたいです」

その松村とともに、今回の候補選手に選出されたのは、桐生南ポニー・阿部敏久。選考会のピッチングでは105キロを計測するなど、快速球を投げ込んで首脳陣に対してアピールしてみせた。

170センチ、50キロと中学1年生ながら高身長ではあるものの、まだまだ細身の体格だ。しかし、腕の振りはムチのように鋭く振り抜かれていた。全身のキレも素晴らしく、身体能力の高さは垣間見えた。

阿部自身も、今のピッチングは、この体格であることが大きいと感じている。
「僕自身、山本由伸さんは憧れの選手なんです。だから腕をしならせて投げることは意識しているんですけど、今は体が大きいし、痩せているからこそ、腕がしなって投げられていると思っています」

とはいえ、実践練習では長打を許すなど、「高めに浮いてしまったり、失投を投げてしまったりしたのは課題でした」と反省をしているようだったが、これから迎える国際大会には楽しみを隠せていないようだった。

「対戦したことのない凄いバッターと勝負出来たり、自分の課題が見つけられたりするのが楽しみなので、国際大会では三振を取って、いいピッチャーに成長したいです」

たしかに外国人選手のパワーは恐ろしいものだ。しかし、ピッチングの軸となるストレートの強さは絶対的に必要な要素。松村、阿部ともに選考会ではその要素を十分に見せてくれた。今度は世界を相手に見せてくれるか。

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この記事の執筆者: 田中 裕毅

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