試合レポート

【春季埼玉県大会】プロ注目石塚、大会1号!優勝候補筆頭・花咲徳栄が15安打で東農大三に勝利!

2024.05.01


本塁打を放つ石塚(花咲徳栄)

【トーナメント表】春季埼玉県大会 結果一覧

<春季埼玉県高校野球大会:花咲徳栄15-2東農大三(6回コールド)>◇4月30日◇3回戦◇県営大宮

雨の中行われた県営大宮球場の第1試合は、プロ注目・石塚 裕惺内野手(3年)を擁する優勝候補筆頭のAシード・花咲徳栄が登場。相手は東農大三である。

花咲徳栄はこの日も強力打線の破壊力をまざまざと見せつけた。

先発は花咲徳栄が背番号11の岡山 稜投手(3年)、一方の東農大三は背番号18の小玉 圭太投手(3年)が先発し試合が始まる。

花咲徳栄・岡山について、岩井監督は「肘の上がりが悪かったので体が中に入らないようにフォーム矯正中」と話すように、昨秋から大幅にフォームを変えた。しかし、まだフォームが固まっていないのか、序盤から球が高かった。

先制したのは花咲徳栄だった。

初回、1死から2番・目黒 亜門外野手(3年)が四球を選び出塁すると、暴投で二塁へと進む。2死後、4番・石塚も四球を選び、2死一、二塁とすると、さらに暴投で二、三塁とする。ここで続く田島 蓮夢外野手(2年)が左前へ2点適時打を放ち、花咲徳栄が幸先良く2点を先制する。

花咲徳栄は2回にも、この回先頭の阿部 航大内野手(3年)が右前安打を放ち出塁すると、続く齋藤 聖斗内野手(3年)も右前安打を放ち無死一、三塁とする。

東農大三ベンチは早くもここで先発・小玉を諦め、エース加藤 旭投手(3年)をマウンドへ送る。

花咲徳栄は2回、3回と、チャンスを作り内野ゴロの間にさらに3点を奪い5点差とする。

東農大三の反撃は3回だった。

この回先頭の町田 大和(3年)が四球で出塁すると、続く長島 颯捕手(3年)の右前安打を右翼手が後逸し、1点を挙げ、長島も一気に三塁を陥れる。さらに2番・持田 裕紀内野手(3年)も中前へ適時打を放ち5対2とする。

だが、花咲徳栄は4回、この回先頭の目黒が左翼線へ二塁打を放ち出塁すると、1死後、4番・石塚も四球を選び、すぐさま二盗を決め1死二、三塁とする。ここで続く田島が左中間へ適時三塁打を放つと、6番・横山 翔也内野手(3年)も右前適時打を放ち8対2とし、試合の大勢は決した。

5回にもチャンスで石塚の三塁打で1点を加えた花咲徳栄は、6回にも、7番・奥村 颯太捕手(3年)の左翼フェンス直撃の二塁打を足がかりとし、齋藤、目黒が連打。さらに3番・生田目 奏(3年)と4番・石塚が2者連続アーチ。「生田目が打ったので自分も狙った。ランナーもいないし点差も離れていたんで」(石塚)。この回一挙に6点を奪い15対2とする。

投げては、岡山が5回2失点とまとめ、最終回は左腕・額川 康一投手(3年)がきっちりと締める。

結局、花咲徳栄が6回コールドで東農大三を下しベスト8進出を決めた。

東農大三は中心選手である長島、加藤、青木 亮太内野手(3年)が木製バットを使用。また、この日「花咲徳栄打線を間近で感じて何かをつかんでほしくて」(高廣監督)と、本来は遊撃手の長島がマスクを被った。その経験や悔しさを、夏を含め今後に生かすことができるかどうかは、本人の心掛けや意識の変化にかかっている。夏でリベンジなるか。

一方の花咲徳栄・岩井監督は「岡山は4回ぐらいから良くなったけど今日は悪かった。練習試合から間隔が空き過ぎているので、こうなるかなと思っていたら案の定。打線はうまい具合にね。低反発に対してはフライを打たないのはもちろんなんだけど、バットが変わったからっていうのが逃げ口上にならないように。革命だと思ってやっていかないと。ただ当たる瞬間が弱いと弾かれてしまうので握力の強化はやってきた。生田目、石塚の本塁打はおまけ。今日はベストボールを反対方向に打った田島の2本が大きい。ちょっと出来過ぎているので接戦になった時にどうなるか。石塚はU-18合宿でバッティングで劣っているとは感じなかったそうだが、一箇所バッティングでダメだった。引っ張りに行くとダメ。甘い球を一発で仕留める。良い刺激になったのでは」と振り返った。例によって春の大会は基本ノーバント。低反発バットにも関わらず広くフェンスの高い県営大宮で2発15安打と例年通りの打撃力は発揮した。

石塚は「低反発バットも試合球であれば関係ない。U-18(合宿)は全体的にポテンシャルが高かったが、やっていけないことはないかと。3カ所バッティングで飛ばすことについてはアピールできたが、紅白戦で勝負強さはあまりアピールできなかった。ウリはバッティングですが、走攻守で見てもらえたら」と、低反発バットのことなど、まるで意に介していない。

投手陣はこの日、中心投手である岡山がピリッとしなかったのはやや今後への不安材料か。いずれにせよ大黒柱・石塚を筆頭にノーバントでどこまで勝ち上がるのか。今後も注視していきたい。

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この記事の執筆者: 南 英博

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