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山本陣世(田辺)「智辯和歌山からの逆転満塁弾男」、その打棒は本物だった!【センバツ・輝きを放った逸材たち】

2024.03.19


山本陣世(田辺)※写真は過去の試合のもの

<第96回選抜高校野球大会:星稜4-2田辺>◇18日◇1回戦◇甲子園

甲子園100周年記念のセンバツとなる今大会で、キラリと光った逸材「ピカイチくん」を連日紹介したいと思う。

第1日では、惜しくも星稜(石川)に敗れた田辺(和歌山)に、将来性を大きく感じた逸材がいた。4番に座った遊撃手、山本 陣世内野手(3年)のことである。

183センチ、73キロ。高校生としては大型遊撃手の部類になる。構えたときの「雰囲気」がいい。悠然と構えて、投手からは「投げる球がない」と思わせるタイプの構えをしている。

甲子園で4打席入ったが、ヒットは生まれなかった。それでも第3打席の遊撃ゴロは痛烈で、ヒットになってもおかしくなかった。さらに9回最終回の第4打席は、あとひと伸びあれば本塁打になってもおかしくない大飛球を披露した。大きなスイングから放たれた放物線がバックスクリーン方向へグングン伸びた。最後は星稜の中堅手、芦硲 晃太外野手(3年)の超ファインプレーで好捕されたが、新基準のバットでなければ、フェンスを越えていたと思われる。

昨年秋、和歌山大会で逆転満塁弾を放って智辯和歌山を倒したヒーローでもある。その打撃は決してフリークではなかったことを、甲子園最後の打席で証明してみせた。

山本陣も試合後、手応えを感じていた。「(星稜の)佐宗はストレート待ちのチェンジアップ待ちで対応していたが、チェンジアップは確かに良かった。でもストレートは速く感じなかったのでしっかりと打てた。新基準バットについては、芯で捉えれば問題ない」と胸を張った。

「冬場は学校にあるウエートトレーニング場で徹底的にやったことと、食事の回数を1日5回くらいにして、増やして体づくりを行った」という。御坊ボーイズ出身で、県外にも誘われたが、田辺進学を選択。自転車で30分かけて通っているという。

投げても140キロ近くの直球を投げることができる投手でもある。チームとしても夏また見たいと思ったが、山本陣もまた、夏に甲子園で成長した姿を見てみたいと思った。

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この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

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