Interview

32年ぶりの旋風を起こすか!? 阿南光のプロ注右腕・吉岡「僕のストレートに注目してほしい」

2024.03.14


左から吉岡 暖、井坂 琉星、福田 修盛(阿南光)

1992年のセンバツに初出場し、名門・横浜(神奈川)に逆転勝ち。「新野(あらたの)旋風」が32年の時を超えた今年「阿南光」に校名を変え、センバツの舞台へ帰ってくる。昨秋は県3位から四国大会準優勝まで駆け上がり、どんな戦いを目指すのか。主将の井坂 琉星捕手(3年)、井坂とバッテリーを組む最速146キロ右腕・吉岡 暖投手(3年)、昨秋公式戦2本塁打を放った福田 修盛外野手(3年)の主力3名に独占インタビューで意気込みを聴いた。

――3月に入り練習試合も始まりました。冬を越えてここまでの個別の収穫と課題について教えてください。
吉岡 暖投手(以下、吉岡) 個人的には順調です。この冬はストレートの質にこだわってきて、リリースまで力を抜かず投げることに取り組んできました。その結果、指にもかかるようになりました。体重も増えたことで昨秋には少なかったストレートで空振りも取れています。練習試合初戦は大学生(神戸医療未来大)との対戦でしたが、思ったより空振りも取れました。

井坂 琉星捕手・主将(以下、井坂) 吉岡は身体も大きくなってベース盤上でストレートが伸びている、低めのストレートが伸びてくる感触もあります。自分としてはワンバウンドになる変化球のブロッキングについては冬場も含め一年通してやってきました。

――変化球についてはどうでしょうか?
吉岡 この冬はストレートに加え、ラプソードのデータを参照して少し新しい変化球にも取り組んできました。新規格の金属バットだとファウルが増えて球数が増えそうな印象があるので、内野ゴロを打たせる変化球も投げていきたいです。

――新規格金属バットの話が出ましたが、福田選手の練習試合を通じた感覚はどうですか?
福田 修盛外野手(以下、福田) まだ捉えたと思ってもファウルになる感覚があります。この冬は今までの金属バットより細くなる新規格バットでのミート力を上げるために木製バットで振り込んだり、筋力トレーニングで下半身を強化したりして、下半身主導のバッティングを心がけてきました。まずはセンバツまで金属バットを使って、それ以降は上の世界で野球をすることも考えて木製バットを使うことも考えていきたいです。

――チーム全体でこの冬に取り組んできたテーマはありますか?
井坂 この冬は髙橋 徳監督が数値管理をして、ウェイトでの筋力や走力・遠投などもセンバツ出場校の数値を意識して取り組んできました。自分も体重は66キロから73キロに増え、ここからは練習試合を通じてより甲子園に向けた準備をしていきたいと思っています。

――特に福田選手は走力も相当上がっていると聞きました。
福田 チューブトレーニングや10メートルダッシュなどでキレを出すようにしたことで、50メートル走は昨秋の段階で6秒4でしたが、6秒0になりました。あとは体重を昨秋の90キロから86キロに落としながら、体脂肪率を13%に保っています。

――「ここしかない」という名物練習はありますか?
井坂 冬場に週2回あるタイヤを引いてのノックですね……。パワー系のトレーニングに入っている練習です。ウチはパワー系のトレーニングとスピード系のトレーニングを交互に行っているのですが、メニューのメリハリがあっていいですね。

次のページ:全力プレーを貫き「光の校歌」を歌う

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この記事の執筆者: 寺下 友徳

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