阪神・前川 定位置獲得へ一歩近づくキャンプMVP、久しぶりの高卒野手の主力誕生なるか?
智辯学園時代の前川 右京
宜野座村での春季キャンプ(1軍)を打ち上げた岡田 彰布監督は、野手のキャンプMVPとして、前川 右京外野手(智辯学園出身)の名前を挙げた。
前川は2021年ドラフト4位で指名を受け、智辯学園(奈良)から阪神へと入団した左打ちの外野手。昨シーズン、1軍デビューを果たし33試合に出場。プロ初本塁打こそ出なかったものの、打率.255をマークした。とくに得点圏の打率が.409と、高卒2年目としては上出来の成績を残した。
現時点で、外野は中堅の近本 光司外野手(社出身)が、レギュラーとして確定しているものの、両翼は現時点で空席となっている。大卒2年目の森下 翔太外野手(東海大相模出身)とノイジーが1歩リードしているが、前川もオープン戦で結果を残すことができれば、そのチャンスはあるはずだ。
昨シーズンの阪神は、高卒野手の出場がほとんどなかった。規定打席に到達した選手はひとりもおらず、打席数では前川が107打席でトップとなっている。セ・リーグの他5球団は、最低でもひとりは生え抜きの高卒野手が規定打席に到達していた。
阪神の生え抜き高卒野手で規定打席に到達したのは、2017年の中谷将大が最後となっている。2010年以降ではこの中谷と、現DeNAの大和内野手(樟南出身)が、2013年と2014年に到達しているのみ。ほとんど高卒の野手が主力として活躍できていない。
他球団では、生え抜きの高卒野手がチームを代表する選手となっているケースが少なくない。
広島は坂倉 将吾捕手(日大三出身)や小園 海斗内野手(報徳学園出身)、巨人は岡本 和真内野手(智辯学園出身)に坂本 勇人内野手(光星学院出身)、ヤクルトは村上 宗隆内野手(九州学院出身)、山田 哲人内野手(履正社出身)に中村 悠平捕手(福井商出身)、中日は岡林 勇希外野手(菰野高出身)、DeNAは桑原 将志外野手(福知山成美出身)と、タイトルホルダーやゴールデングラブ賞を受賞した高卒の選手たちが、チームの柱に成長した。
近年の阪神からは、こういった選手は生まれていないが、打撃が魅力の前川はまだ高卒3年目。すぐにレギュラーを奪取することはできなくとも、今シーズンを足がかりとして、将来的に日本を代表する選手へと成長する可能性は十分にあるだろう。
まずは、キャンプ野手MVPの勢いをオープン戦でも持続させ、開幕1軍入りを勝ち取ってほしい。
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