Column

3年連続で選手増加中! 大学準硬式が地盤沈下する野球界の救世主になる!<田中裕毅の”準硬ドットコム”第6回>

2024.02.07


2023年の甲子園大会の際に開催された地域交流の模様

忍び寄る野球人口減少の波

野球界にとって大きな問題になっている競技人口の減少。少子化、他競技の人気上昇と相まって、選手数が年々減少している。
実際に過去5年の高校野球、大学野球それぞれの部員数の推移をまとめていくと、問題の大きさが見え始める。
<高校野球部員数>
■2023年
128,357 人(-2,902)3,818チーム(-39)
■2022年
131,259 人(-3,032)3,857チーム(-33)
■2021年
134,282 人(-3,772)3,890チーム(-42)
■2020年
138,054 人(-5,813)3,932チーム(-25)
■2019年
143,867 人(-9,317)3,957チーム(-14)
※参照=日本高等学校野球連盟ホームページ ※()内は前年比

<大学野球部員数>
■2023年
28,252人(-517)370チーム(-2)
■2022年
28,769人(-133)372チーム(-5)
■2021年
28,902人(+1,995)377チーム(-3)
■2020年
26,907人(-1,801)380チーム(±0)
■2019年
28,708人(-499)380チーム(-1)
※参照=全日本大学野球連盟ホームページ ※()内は前年比

5年間だけで振り返っても、高校野球は毎年減少し続け、5年前から15,510人減った。大学野球は2021年こそ増加したものの、2022年から再び減少傾向に入り、5年前よりも456人少ないという結果だった。こうして数字で見ていくと、野球人口減少の問題が毎年忍び寄っているのが実感できる。
この問題の解決の糸口を見出そうと、NPBはもちろん大学、高校野球でもさまざまな取り組みを行っている。野球教室やイベントを開催するなど、野球の文化を後世に伝えるための動きが活発化している。大谷翔平がおよそ2万の小学校に向けて、3つずつグラブを寄贈したのもその一例と言える。

野球界に光り!準硬式は3年連続増加中!

過去5年間の部員数とチーム数の推移

WBCで世界王者となった日本にとって暗い話題だが、光りはある。じつは大学準硬式の部員数は、3年連続で増加の道を歩んでいるのだ。
<大学準硬式部員数>
■2023年
9,553人(+255)272チーム(±0)
■2022年
9,298人(+525)272チーム(+1)
■2021年
8,773人(+669)271チーム(-1)
■2020年
8,104人(-2,507)272チーム(-10)
■2019年
10,611人(-285)282チーム(-3)
※協力=全日本大学準硬式野球連盟 ※()内は前年比

もちろん、部員数やチーム数では高校、大学野球には敵わない。また新型コロナウイルスの影響もあり、2020年以降1万人を割ってしまっている。しかし注目すべきは野球界全体が野球人口減少で悩んでいる中、競技人口が増えているということだ。

地域交流に参加選手たちとの記念写真

甲子園大会を開催するなど、学生が主体となってあらゆるイベントを開催。プレーしている選手はもちろん、球児たちが見ても魅力がある世界に成長させ続けた。と同時に連盟はもちろん、各チームがSNS中心に情報発信。こうした活動を続けてきたことで、準硬式の持つ魅力が徐々に浸透してきたのである。

加えて準硬式の魅力はまだまだある。まずは、選手の多様性。甲子園に出場したようなトップ級の選手から、高校時代はベンチにも入ることが叶わなかったような選手、さらには軟式野球や女子選手なども、同じ土俵で勝負できるというのが、大学準硬式だ。
しかも、2023年は甲子園で全国大会が開催されたように、聖地に立てるチャンスはもちろん、全国大会、公式戦にも出場できる可能性が大いにある。

もうひとつは、多角的に野球にかかわることができること。準硬式はチームや大会の運営も学生が行っていることが多いのだ。そのため、プレー以外の様々な部分で野球に関わることができる。野球というスポーツを選手としても運営側でも楽しめる。それも大学準硬式の魅力ひとつなのだ。

今はまだまだ競技人口が少ない。だが、準硬式の魅力が伝わっていけば、競技人口もレベルも同時に高まっていくだろう。
野球界の発展のカギは準硬式にある!
2024年も準硬式から目が離せない。

取材・文/田中 裕毅(準硬式野球評論家)
小学3年生から中学生までは軟式野球。高校での3年間は硬式野球をプレー。最後の夏は控え捕手でベンチ入りを果たす。
大学から準硬式野球で3年間プレー。大学2年、3年生のとき、チームは清瀬杯大会に出場し、自身はベンチ入り。さらに3年生の1年はチームの主務として、選手登録やリーグ戦運営に携わる。特に春季リーグはリーグ委員長として、試合日程の調整をはじめとした責任者を任される。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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