山下 舜平大、髙橋宏斗…逸材揃いのドラフト2020年高卒投手の現在地
アメリカのCBSスポーツで、「今後数年間で日本からやってくる選手は誰だ?」と題して、3人のNPBプレーヤーの名前を挙げている。ロッテ・佐々木 朗希投手(大船渡高出身)、ヤクルト・村上 宗隆内野手(九州学院出身)、そしてオリックス・山下 舜平大投手(福岡大大濠出身)だ。
佐々木と村上は、侍ジャパンの一員としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも参加しており、アメリカでも広く知られていても何ら不思議ではない。一方の山下は、実質23年が1年目。それにもかかわらず、記事内では「広く知られていないかもしれないが、佐々木の後継者として明らか」との評価を受けている。
山下は2020年ドラフト1位で指名を受け、福岡大大濠(福岡)からオリックスに入団。1年目、2年目ともに1軍登板がなくシーズンを終えた。2年目は日本シリーズでベンチ入りはしたが、登板はなかった。そして3年目の今シーズン、開幕投手に抜擢されると、そのまま先発ローテーションに定着。最後は故障で戦列を離れたものの、16試合で9勝3敗、防御率1.61と、堂々の成績を残して、新人王を受賞した。故障が癒えれば、24年も先発ローテーションの一角に加わることは間違いなさそうだ。
このように、山下は著しく成長しているが、高卒3年目を迎えたその他の投手たちは、どのような状況なのだろうか。
2020年のドラフト会議で1位指名されたのは、山下の他に中日・髙橋 宏斗投手(中京大中京)がいた。髙橋も山下と同じく1年目は1軍での登板がなかった。しかし2年目から1軍に定着。6勝を挙げる活躍を見せ、WBCでは侍ジャパンの一員として金メダルに貢献。今シーズンは規定投球回にも到達し、7勝をマークした。ここまでの通算防御率も2.50と、着実にエースへの道を歩んでいる。
このドラフトで2位指名されたのは、ロッテ・中森 俊介投手(明石商出身)だけだった。中森は3年目の今シーズンに1軍デビューを果たすと、13試合(2先発)で3勝をマークしている。勝ち星こそつかなかったが、9月3日の楽天戦では5回1失点と先発でも結果を出した。
ドラフト3位以下の投手では、日本ハム(5位)・根本 悠楓投手(苫小牧中央出身)と、楽天(6位)・内 星龍投手(履正社出身)がブレークしつつある。根本は1軍での登板は少ないものの、今シーズンは5試合に先発し3勝1敗、防御率2.88と好結果を残し、オフにはアジアチャンピオンシップの侍ジャパンにも選出された。来シーズンは開幕ローテーションに入ってきそうだ。
ドジャース・山本 由伸投手(都城高出身)に似た投球フォームの内は、今シーズン1軍デビューを果たし53試合に登板。一時は勝ちパターンとして起用されるなど、7ホールドを挙げ、防御率2.28の好成績を残している。
育成ドラフトからは、中日育成2位・上田 洸太朗投手(享栄出身)と、西武育成4位・豆田 泰志投手(浦和実出身)の2人が、すでに支配下登録された。中継ぎとして起用されている豆田は、今シーズン16試合の登板で1セーブ、6ホールド、防御率0.59と圧巻の数字。来シーズンは守護神を目指すことになる。
2020年のドラフト会議で指名された高卒の投手は、アメリカでも注目されている山下だけでなく、WBCにも出場した髙橋や中継ぎの内、豆田らが、高卒3年目までに一定の結果を残している。一方で、まだ結果を残すことができていない選手たちもまだ若い。来シーズン以降、世代のトップランナーたちに追いつき、追い越すことに期待がかかる。
<2020年ドラフト会議で指名された高卒の投手>
※育成指名は支配下昇格した選手のみ
山下 舜平大(福岡大大濠→オリックス1位)
髙橋 宏斗(中京大中京→中日1位)
中森 俊介(明石商→ロッテ2位)
松本 隆之介(横浜高→DeNA3位)
小林 樹斗(智辯和歌山→広島4位)
福島 章太(倉敷工→中日4位)
加藤 翼(帝京大可児→中日5位)
根本 悠楓(苫小牧中央→日本ハム5位)
田上 奏大(履正社→ソフトバンク5位)
高田 琢登(静岡商→DeNA6位)
嘉手苅 浩太(日本航空石川→ヤクルト6位)
内 星龍(履正社→楽天6位)
上田 洸太朗(享栄→中日育成2位)
豆田 泰志(浦和実→西武育成4位)