「食が細い」ことを克服しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】
春雨などをスープに付け加えてボリュームアップ
野球選手は「たくさん食べる」ことも体づくりの上で欠かせない習慣の一つです。特に激しく体を動かすことが多いアスリートであれば、運動で消耗した分のエネルギーを補う必要がありますし、それに加えて体が成長するためのエネルギーも確保しなければなりません。一方で「食が細くてあまり食べられない」「食べても食べても体が大きくならない」という悩みを抱えている選手も少なくありません。「食の細さ」を克服する上で見直しておきたい生活習慣や、食事の工夫をまとめておきます。
●食事時間・睡眠時間を十分に確保しているか
食事について見直す前に振り返って欲しいのが、食事時間や睡眠時間が十分に確保されているのかというところです。高校生は学校生活と部活動、往復の通学時間など「忙しい日々」を過ごしています。そして時間が足りなくなると真っ先に削られてしまいがちなのが、睡眠時間や食事時間です。朝起きて、食事をとらずに、もしくは簡単に済ませて通学していないか、お昼休みにあわてて昼食をかき込んでいないか、練習後に疲れてしまってそのまま寝てしまったりしていないか。まずは睡眠時間と食事時間に余裕を持たせるスケジュールにする必要があります。疲労回復や体の成長には十分な睡眠時間が欠かせません。
●食事回数を増やす(補食の活用)
三食のボリューム、特に朝食は少なくなりがちなので朝からたくさん食べてほしいところですが、食が細い選手の場合はいきなり量を増やしても食べづらいかもしれません。そのような時はまずいつも通りに三食をとったうえで、食事の前後で補食をとることを習慣にしてみましょう。練習後と夕食までの間に1時間以上あるのであれば、小腹を満たすつもりで炭水化物(おにぎりやパンなど)とタンパク質を含むものを摂るようにしてみましょう。おにぎりの具材にタンパク質を多く含むもの(鮭、ツナマヨ、おかかなど)を選ぶと食べやすいと思います。もし可能であれば練習前にもエネルギー源の確保として補食を摂るようにすると良いですね。一度の食事で多く食べられないときは1日4食、1日5食など、こまめに分けて食べるようにすると全体的なボリュームアップが見込めます。
●「ご飯のお供」を用意しておこう
さらに全体の食事量を無理なく増やすためにご飯がすすむ「ご飯のお供」を用意したり、食事には汁物を必ずつけるようにするとより食べやすくなります。最初はメインのおかずとともにご飯を食べ、おかわり一杯目は卵かけご飯、おかわり二杯目はお茶漬けにするといった方法もあります。卵かけご飯やお茶漬けにすると、あまりよく噛まずにズルズル飲む込んでしまいがちですが、歯ごたえのあるおかずと一緒によく噛んで食べることをぜひ心がけてみてください。汁物は具だくさんを基本とし、たとえば洋風スープであればショートパスタ、味噌汁であればお麩、中華スープにはワンタンや春雨などを入れてみるとボリュームアップにつながります。
食の細さを克服するために、生活習慣や食事の工夫についてお話をしてきましたが、出来ることからぜひ実践してみてくださいね。
文:西村 典子
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