試合レポート

【東海】豊川、連続コールド勝ち! 岐阜王者・岐阜第一を圧倒〈秋季東海大会〉

2023.10.23


<秋季東海地区高校野球大会:豊川13-3岐阜第一(5回コールド)>◇22日◇準々決勝◇長良川

豊川(愛知)は初戦で、神村学園伊賀(三重)に7対0と完封のコールド勝ち。その勢いに乗ったまま挑んだ2回戦でも、岐阜県1位の岐阜第一に対して、13点を奪って5回コールド勝ちと大勝した。岐阜第一は県大会以降で水野 匠登投手(1年)が腕の故障で投げられないという状態になってしまっていたことが大きかった。さらには、1年生が多い野手陣で、守りの崩壊が出てしまって大量失点を許してしまったということにもなって、試合前には予想だにできなかった、まさかの展開になってしまった。

岐阜第一は初回、2死二塁に四球で出た灰谷 叶翔内野手(1年)を置いて、4番・永安 弘和捕手(1年)が左前打を放って1点を先取する。少しでも早くリードして主導権を握って試合を進めたい岐阜第一としては、いい形の先制点だった。しかしその裏、豊川はモイセエフ ニキータ外野手(2年)がしなやかな打撃で左前打を放って、あっさりと同点。さらに、内野ゴロで二塁へ進めると、北田 真心内野手(1年)の中前打でかえり逆転。2回にも豊川は、9番に入っている鈴木 爽太投手(2年)の中前打で1点を追加した。

岐阜第一も食い下がって、3回には2死一、三塁からボークで1点を貰う形になって1点差。いくらかは点の取り合いになっていくのかなと思わせる展開だった。
3回にも豊川は2番・髙橋 賢捕手(2年)が左越え二塁打すると、モイセエフも左中間二塁打を放って4点目。さらに、バントと犠飛でかえって、この回も2点で5対2。岐阜第一も4回、5番・一塁手として出ている水野と山口 晄生外野手(2年)の連打でチャンスを作り、犠打失策も絡んで満塁として、内野ゴロ併殺崩れの間に1点を返して食い下がっていく。こうして、細かい点の取り合いで中盤に差し掛かっていった。

ところが5回、岐阜第一の守りが一気に崩れて大量点が入る形で、そのままコールドゲームとなってしまった。
この回、豊川は4番・中村 丈内野手(2年)からだったが、右前打で出ると、その後は岐阜第一の2失策が相次いでしまい、アウトが取れないという状態になってしまった。高橋の左越え二塁打などもあって、この回だけで豊川は5安打だったが、岐阜第一の守りに4つの失策が出てしまって、こうなったら止めようがなくなってしまって、豊川は一気に8点を奪って勝負を決めた。それでも、途中出場となった中堅手の酒井 昊外野手(1年)のダイビングキャッチの好プレーなどもあった。

岐阜第一の田所孝二監督は試合後、開口一番「スミマセン、『やってもうた』という感じの試合になってしまいました。エース水野が投げられないという中で、守備の不安なところにすべて打球が行ってしまって、それがことごとくエラーになってしまいました。それが5回でした。1年生が多いチームのモロさが出たところもあったかもしれません」と、ガックリしながらも、あまりにもの大敗ということもあってサバサバしていたという印象でもあった。

豊川の長谷川裕記監督は、「これまでやってきた野球がしっかりやれているなという感じはあります。実は、東海大会1週間前くらいに金沢遠征をして、遊学館に大敗したんですよ。それで、自分たちは強いワケではないということをわからせてもらって、基本に返ることができましたから、それがむしろ良かったのかなとも思います」と、大敗から自分たちの今の立ち位置を再認識できたことも、かえってよかったと思いを口にしていた。

そして、チームとしては「相手はモイセエフに意識が行っていると思うんですけれども、それだけに次の中村と、北田がどう打つかというところがポイントになります。実は、この2人が影のキーマンですね」と語っていたが、この日の試合では、その2人が大事なところでしっかりと適時打を放っていた。

連投となった鈴木爽は、「自分としては、あまり調子は良くなかった」ということで、結果は早い回のコールドとなったものの、序盤は苦労していた。それでも、勝負球のチェンジアップを武器に何とか抑えていく投球を続けていくうちに、打線の大爆発と相手野手の乱れで大量点でコールドゲームという形になった。
取材・文=手束 仁

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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