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阪神は「前田悠伍(大阪桐蔭)1位指名」がベストな選択〈ドラフト指名予想〉

2023.10.22


2005年以来のリーグ優勝を決めた阪神。近年のドラフト戦略の上手さもあり、レギュラーのほとんどが20代中盤〜後半、二軍ではネクストブレイクの逸材たちも控えているという理想的な状況を作れている球団だ。これは優勝した03年、05年、最後まで優勝争いをしていた08年よりも遥かに良い。
まずは退団者の顔ぶれだ。
戦力外・二保 旭投手(九州国際大付出身)
戦力外・渡邉 雄大投手(中越出身)
戦力外・小林 慶祐投手(八千代松陰出身)
戦力外・望月 惇志投手(横浜創学館出身)
戦力外・山本 泰寛内野手(慶應義塾出身)
戦力外・北條 史也内野手(光星学院出身)
戦力外・板山 祐太郎外野手(成立学園出身)
戦力外・髙山 俊外野手(日大三出身)
一軍でも実績を残した中堅選手を中心に通告が行われたことがわかる。伸び盛りの若手選手の育成、出場機会確保が狙いだといえるだろう。

人材揃う投手陣だからこそ前田を1位に

1位指名は、どうなるのだろう? 大豊作の大学生投手たちを競合覚悟でを狙いにいくという選択肢ももちろんある。阪神はローテーションに20代が多く、二軍にも森木 大智投手(高知)、一軍でも登板した高卒1年目左腕・門別 啓人東海大札幌)といった高卒投手も順調に伸びている。また、阪神には、大竹 耕太郎投手(済々黌)、伊藤 将司投手(横浜)のように「制球力の高い左腕」が活躍しやすい土壌がある。そこで今年は、高校No.1左腕・前田 悠伍投手(大阪桐蔭)を1位に推したい。

今年は150キロ超えの速球派の大学生左腕が多い中、前田は140キロ前半、調子良い時でも140キロ中盤だ。ただコントロールの良さが圧倒的に違う。1年秋からずっと彼を見てきたが、前田が制球を気にして置きに行くような腕の振りをしたところは見たことがない。また、強い敵ほど燃えるハートの強さは今年のU-18ワールドカップで実証済み。何より3度の甲子園を経験してきた。今年のドラフト候補で甲子園のマウンドが最も似合う男だ。大竹・伊藤将らと同様、制球力、駆け引きを大事にしている前田にとって、阪神の環境は合っている。

高校No.1捕手・堀は「坂本の後継者」

2位以降も予想してみよう。報道によれば、高校生捕手を指名すると言われている。ならば高校生NO.1捕手の堀 柊那捕手(報徳学園)ではないか。経験値が豊富であり、強肩だけではなく、コミュニケーションもしっかりと取ることを意識した捕手だ。坂本 誠志郎捕手(履正社)のようなタイプに育つのではないか。近年、藤田 健斗捕手(中京学院大中京)、中川 勇斗捕手(京都国際)とインテリジェンスが高い高卒捕手を指名しているが、阪神としては若手の高校生捕手を競争させたい狙いがあるのだろう。

また、近年は佐藤 輝明内野手(仁川学院-近畿大)、前川 右京外野手(智辯学園)、森下 翔太外野手(東海大相模-中央大)と和製大砲を次々と指名しているので、スラッガータイプの優先順位はそれほど高くない。ただ、彼らの競争相手を指名する選択肢もある。宮崎一樹外野手(山梨学院-山梨学院大)、廣瀬 隆太内野手(慶應義塾-慶應大)も挙げておきたい。

今年は外野手2人、右投手3名の戦力外が発表されているので、外野手、右投手の指名もあるだろう。高校生、大学生以上のカテゴリーになるのかは、当日のドラフト状況で決まるだろう。個人的には独立の2人を薦めたい。椎葉 剛投手(島原中央-ミキハウス-徳島インディゴソックス)、大谷 輝龍投手(小松大谷-JFE東日本-伏木海陸運送-富山GRNサンダーバーズ)がオススメだ。

今回のドラフトで絶対に外してはならないのは将来のエース候補。野手ではレギュラー候補となりうる選手の指名。これが成功できれば、阪神の未来はさらに明るいものになる。
文/河嶋宗一(編集部主筆)
*「12球団ドラフト指名予想」記事一覧はこちらから

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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