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「指名漏れ→大学日本代表」木村仁(九州共立大)、剛腕右腕の原点は「空手で鍛えたキレ」にある!

2023.10.17


今年大活躍した大学日本代表に1人、福岡の大学から選出された右腕がいた。九州共立大の木村 仁投手(4年=北九州)。懐かしいその名前を見て、少しだけ誇らしい気持ちになった。

2019年、福岡県立北九州高時代の3年夏。彼を取材したことがあった。プロ注目の146キロ右腕として、スカウトからも注目された夏の福岡大会初戦だった。

2回戦の中間戦。先発した木村は2安打11奪三振2失点(1自責)の完投勝利を挙げた。帽子を飛ばして力投した。力を込めて、すべてが「全力投球」だった。この日の最速は142キロだったが、それでも打者を圧倒していた。次の3回戦、雨のなかの試合で制球を乱し、東海大福岡に0対8でコールド負けを喫した。満塁弾を浴びる屈辱を味わった。多少、フォームも含めて粗削りの投手ではあったが、実力はそんなもんじゃないと思っていた。あれから4年。彼は立派に成長していた。

その時、こう言っていた。「150キロを目指し、勝てる投手になりたい」「ソフトバンクの千賀(滉大)投手(現・メッツ)が目標です」。実は4歳から小6年生まで空手を習っていた。回り蹴りをするときのキレは投手としての腰の回転のキレにつながっていると「空手効果」を口にしていた。

現在、181センチ、92キロ。最速は153キロにまで伸びた。福岡六大学で通算11勝。防御率は1点台を誇っている。今年の春季リーグでは18奪三振完封勝利も挙げ、フォークボールも操る投球にも磨きがかかってきた。1年秋に骨折の離脱を経験したが、苦難を乗り越えて現在に至っている。

高校時代にプロ志望届を提出したが、指名はなかった。あれから4年。堂々の実績を引っ提げ、再びプロ志望届を提出した。公立の北九州高校時代の1つ上の先輩には、今年、楽天のルーキーながら、勝ちパターンの貴重なリリーバーとして活躍した渡辺 翔太投手がいる。九州産業大を経てプロ入りした先輩の後を追うように、木村は九州共立大を経てプロ入りを狙っている。

あの頃、丸坊主で、帽子を飛ばしながら力投していた。即戦力右腕としてドラフト指名を待つ木村に、今度こそ吉報が届くことを祈る。

【木村投手の詳細データはこちら】

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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