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【独立】今年は火の国が優勝 グラチャンではドラフト候補が多く登場

2023.10.12


2年連続2度目の独立リーググランドチャンピオンシップ優勝を喜ぶ火の国サラマンダーズ

火の国サラマンダーズが2年連続頂点に!

9月29日から10月1日まで、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで「日本独立リーググランドチャンピオンシップ2023」が開催された。

2019年まで四国アイランドリーグplus対ルートインBCリーグ総合優勝チーム同士で開催されていた同大会は、昨年から全国規模に大きく再編化。今回の出場チームは前年、地元熊本県で初出場初優勝を飾った火の国サラマンダーズ(ヤマエグループ九州アジアリーグ優勝・以下、火の国)、ルートインBCリーグ初優勝を果たした埼玉武蔵ヒートベアーズ(以下、埼玉武蔵)、石狩レッドフェニックス (北海道フロンティアリーグ優勝・以下、石狩)、富山GRNサンダーバーズ(日本海リーグ優勝・以下、富山)、四国アイランドリーグplus優勝の徳島インディゴソックス(以下、徳島)に加え、開催地枠の四国アイランドリーグplus総合2位・愛媛マンダリンパイレーツの6チームとなった。

開幕日となる29日のカードは愛媛vs石狩、徳島vs富山の準々決勝2試合。愛媛vs石狩では元阪神、日本ハム、オリックスでNPB通算976安打をマークした坪井 智哉監督が「北海道のリーグがレベルが低いと言われる中でも勝てるチームをつくってきた」と自負する石狩の奮闘が光った。先発右腕・野口 寛人投手(23=我孫子ー士別サムライブレイズ)は最速141キロの直球と130キロ前後のカットボールを有効に活用し、4回まで愛媛を無安打に封じる好投。その間、2併殺と守備でも魅せた。

しかしホームのプライドにかけても負けられない愛媛は、先発左腕・田島 和礼投手(25=日本学園ー駒澤大ー埼玉武蔵)が6回まで9奪三振と力投すると、5回にはバント安打2本を絡めた1死満塁から8番・宇都宮 葵星内野手(19=松山工)の「自信を持っている」足を生かした併殺崩れに、敵失を絡め、2点の先制に成功。2対1とされた8回には宇都宮のバント安打をきっかけにつくった1死二、三塁から2番・漆原 幻汰内野手(21=豊川)が左前2点適時打を放って試合を決めた。

石狩も8回にはドラフト候補の愛媛3番手・内海 皓太投手(23=市岡ー大阪教育大ー06ブルズ)から、2番・鶴尾 風貴外野手(22=都立杉並ー日本獣医生命科学大ー西多摩倶楽部)が適時打を放ち、9回も守護神・菊田 翔友投手(20=享栄)に対し2死満塁まで攻め立てたが、あと1本が届かず。終わってみれば愛媛が石狩を4対1で下し、火の国の待つ準決勝へと駒を進めた。

第2試合ではドラフト候補を多数そろえる徳島と富山とが激突し徳島が9対6で勝利。中盤までは投手戦で、終盤は一転打ち合いとなる入れ替わりの激しい展開の中、最も輝いたのは徳島・椎葉 剛投手(21=島原中央ーミキハウス)、富山・大谷 輝龍投手(23=小松大谷ーJFE東日本ー伏木海陸運送)だ。

「大谷さんのことは思い切り意識していた」という椎葉が6回の1イニングを14球2奪三振で抑えれば、「内側から力を出すことを意識した」という大谷も、7回の1イニングを3者三振斬り。NPB全12球団20人以上のスカウト陣の前で、今季独立リーグドラフトの目玉がそろって球場表示159キロと強烈なインパクトを残した。

2日目の9月30日にはシードされた埼玉武蔵、火の国が登場。準決勝2試合が開催された。第1試合ではディフェンディングチャンピオンの火の国が終始、愛媛を圧倒した。2回に3番のエリエセール・アルバレス(28=ドミニカ共和国)の満塁走者一掃二塁打などで5点を先制すると、6回までに8安打9四球9得点を奪い9対2で7回コールド勝ち。加えて火の国は「ウチの大きな戦力」とNPB通算182セーブ、2006・2009年WBC優勝メンバーでもある馬原 孝浩監督も自負する応援でも、ホーム・愛媛と互角以上に渡り合っている。

第2試合ではルートインBCリーグ初制覇の埼玉武蔵が徳島と対戦。埼玉武蔵は初回に相手先発の制球難を突き2点を先制すると、3回にはドラフト候補の3番・金子 功児内野手(20=光明相模原)の「反応で打てた」ソロアーチと、今大会で現役を退く6番・清田 育宏外野手(37=市立柏ー東洋大ーNTT東日本ーロッテ)の四球を生かす7番・片山 博視内野手(36=報徳学園ー楽天)の左翼ポール直撃の技あり2ランで計3点を追加。

徳島も3番手のロドルフォ・マルティネス(29=ドミニカ共和国)が160キロ台を連発し、終盤に「今年はコンタクト率を上げることに取り組んできた」という1番・井上 絢登外野手(23=久留米商ー福岡大)、3番・増田 将馬(25=徳島商ー中部学院大中退ージェイプロジェクト)のドラフト候補2人の活躍などで粘りを見せたが、細かい投手リレーを仕掛けた埼玉武蔵の前にあと1本が出ず。6対3で徳島を下した埼玉武蔵が決勝戦への切符を手に入れた。

10月1日決勝戦のカードはヤマエグループ九州アジアリーグ王者・火の国vsルートインBCリーグ王者・埼玉武蔵のカードに。遠方から詰めかけた両チームの応援団もヒートアップする中、始まった頂上決戦は、埼玉武蔵・小野寺 賢人投手(25=聖和学園ー星嵯道都大)と、火の国・宮澤 怜士投手(25=遠軽ー東海大札幌キャンパスー熊本GL)の絶対エース右腕同士の力投により、5回表まで1対1の展開に。その均衡を破ったのは昨年までヤクルトで4年間プレーした「きんに君」こと、中山 翔太外野手(27=履正社ー法政大ーヤクルト)であった。

5回裏1死満塁から打席に立った中山は「この1年間、下半身の使い方を意識し、そこからバットを出すようにした」成果を発揮する左中間突破の走者一掃二塁打。この4番の貫録を示す一打で指導権を握った火の国は、8回にも2点を追加。最後は昨年まで5年間在籍した広島から再起の地を地元に求めた山口 翔投手(24=熊本工ー広島)が締め、火の国サラマンダーズが2年連続2度目の独立リーグ日本一を達成した。

結果的にこれがチーム最後の采配となった馬原監督が「ここを目指しながら1年間闘ってきた中で、最後までウチらしい野球ができた」と振り返った火の国の強さが光ったが、現役最終試合で「これまでよく打ってきた」左中間適時二塁打も飛び出した埼玉武蔵・清田の躍動や、ドラフト候補選手のアピール合戦、さらに出場各チームの地産ならではの美味グルメ販売など、グラウンド内外でも魅力いっぱいだった「日本独立リーググランドチャンピオンシップ2023」。

決勝戦後の閉会式でも馬郡 健・日本独立リーグ機構会長が「来年以降も開催へ向けて努力する」ことを明言した独立リーグの祭典ともいえる同大会は、新生3年目となる来年もさらなる発展を遂げることは間違いない。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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