【大学準硬式】準決勝 日本大 vs 中央大
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日本大が大会連覇へ王手、清めの塩でお祓いした山本が決勝打放つ
<第75回全日本大学準硬式野球選手権記念大会:日本大2ー0中央大>◇27日◇準決勝◇くら寿司スタジアム堺
大会連覇を狙う日本大が、同じ東都のライバル・中央大との投手戦を2対0で制した。
互いにチャンスを作るものの、7回までスコアボードに0が並ぶ息詰まる投手戦を展開。準決勝にふさわしい試合に風穴を開けたのは、6番・山本 創也内野手(3年=桜美林)だった。
8回、2死二、三塁で打席が回る。2球で追い込まれたが、「打つしかない」とチャンスの場面をプレッシャーに感じず、力に変えて1ボール2ストライクからの4球目を捉えた。桜美林時代から意識してきた「大振りせず、ヘッドを立てて外野の間を抜いていく」バッティングで、左翼へ運ぶ二塁打で走者2人を還した。待望の2点が決勝点となり、チームを決勝に導いた。
調子は上がっていた。準々決勝・中京大との一戦では3安打猛打賞で1打点。中京大の剛腕・道崎 亮太投手(4年=東邦)から適時打を放ち、勢いに乗った。
準決勝・中央大戦でも3安打2打点と、安定したパフォーマンスで今大会のキーマンになりつつある。この安定感こそ、桜美林時代からの成長点だ。
下級生の時から主力で活躍し、2年生の時にベスト4進出を経験したが、メンタルに波があり、プレーにもムラがあった。浮き沈みが激しかった高校時代に比べると、「気持ちは強くなったと思います」と自負するほどだ。
桜美林時代は「周りから『元気を出せ』と言われ、スイッチを入れることが多かった」という。だが、「いまは結果が残らなくても、考えて反省して、次に生かすようになった」と失敗を正直に受け止めて、次に繋げるだけの器ができ上がった。
先輩や指導者と過ごした時間が、山本の器を大きくした。
「4年生が控えでいるのに、監督が辛抱強く自分を使ってくれていますし、自分のバッティングに対して一緒に考えてくれる。そんな環境でプレーしていたからこそ、考えてプレーするようになりましたし、先輩たちのために頑張ろうと思って、野球ができています」
また、宿泊先のホテルで「勝手に電気がつく」などの事象に遭遇したことで、「とにかく塩で体を清めているんですが、そうしたら結果が出ているんです」とお清めの効果が、意外な場所でも発揮されているようだ。
大会連覇へあと1勝。前回はコンディションが万全ではなく、フル出場できなかった。その分、今年の思いは強い。頂点へ、勢いに乗った山本の活躍に期待したい。