【大学準硬式】準々決勝 中央大 vs 名城大
【準硬式】最速143キロ左腕が11奪三振完封!高校時代に身に付いた勝負根性と4年の自覚でベスト4導く
<文部科学大臣杯第75回全日本大学準硬式野球選手権記念大会:中央大4ー0名城大>◇26日◇準々決勝◇南港中央
大学準硬式の日本一を決める全日本大学準硬式野球選手権記念大会が22日に開幕。26日は2会場で準々決勝が開かれ、南港中央での第1試合は中央大が勝利して、ベスト4入りを果たした。
4回に2番・中森 至外野手(4年=花巻東)が50メートル6秒3の快足を飛ばしてバントヒットで出塁するなどチャンスを作ると、5番・岩井 大和内野手(2年=東海大菅生)の適時打で先制。さらにバッテリーミスで2点目を加えると、5回にも1点を追加して3対0。中央大が主導権を握り、8回にはダメ押しの1点を奪って試合を決めた。
先発したエース・石井 竜弥投手(4年=浦和学院)が9回1死一塁から連続三振で試合を締めて見事に完封勝利。準決勝進出を決めた。
過去2大会はベスト8で止まっていた中央大にとって、大きな壁を1つ越えたことになる。11奪三振無四球の完封を飾った石井も「1年間やってきた練習の成果を全員が発揮できて良かった」と一安心していた。
石井は最速143キロをマークする大学準硬式界屈指の本格派左腕。さらに、浦和学院(埼玉)時代では2年生の時に夏の甲子園を経験するなど、名実ともに大学準硬式界を牽引している。この日も5回まで完全試合ペースと実力をいかんなく発揮した。
特に直球について「突っ込むことがなくなり、軸足にしっかりと重心を乗せてから投げることができている」と、指先に力を伝えて、伸びる直球が投げられていた。この試合でも、低めに伸びる直球を投げることで、スライダーがより際立っているように感じられた。
この伸びる直球は、これまでのたゆまぬ努力と心の余裕から生まれた。
「伝統として取り組んでいることですが、日本一になるため、今年は主将を中心に例年以上に走った」。グラウンドまで毎回6、7キロの距離をランニングし続けて、足腰とスタミナを強化し、自信も深めてきた。
大会前には「監督から『背負い過ぎじゃないか』と言っていただき、楽になった」と気持ちの面での余裕も生まれた。
本人は「メンタルは弱い方です」というが「浦和学院時代には『あなどるな、おごるな』と勝負根性を教わりました」と強い気持ちを持つことの大切さを教わった。この強さがあったから、これまでの石井があったが、気づかぬうちに重荷になり、力みや、はやる気持ちになっていた。そこを小泉監督の一言が変えてくれたのだ。
長く主力で投げてきたが、気がつけば最終学年で内野には下級生ばかり。「今年は守備のチームなので、自分が焦るわけにはいかない」という4年生の自覚もあり、余裕をもってマウンドに上がるようになった。その結果、悪癖だった突っ込むフォームが改善され、指先で力を伝えることができる直球につながった。
目標の日本一まで残り2勝と迫った。準決勝へ「気持ちで投げるだけです」と語る表情にも、どこか大人びた余裕が見えた。本当の意味で勝負根性を理解した、元浦和学院の本格派左腕の集大成の投球に注目だ。
冨澤信義とみざわのぶよし
2023-08-27 at 9:48 AM
初めて拝見しましたが、母校 大阪経大が善戦しているのをみて、
これ以降の試合の日程ご連絡ください。