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侍ジャパンの強みは?世界的な水準が上がった2010年以降の国際大会

2023.03.11

侍ジャパンの強みは?世界的な水準が上がった2010年以降の国際大会 | 高校野球ドットコム
山本由伸、千賀滉大

 2010年代から国際大会に対する各国の価値観が変わった。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では2013年はドミニカ共和国、2017年は米国が優勝した。メジャーリーガーを揃える2強が優勝したことにより、WBCの大会の価値が高まったのではないだろうか。

 これは、メジャーリーガーが参加しないプレミア12や五輪にも大きな影響を与えた。この大会に関しては、メジャーリーグを目指す若手選手や一時は一線から退きながらも這いあがろうとする元メジャーリーガーが参加した。さらに、実質4Aのレベルと言われているNPBに在籍している外国人も多く出場している。世界全体が野球の国際大会に意欲的になったことがわかる。

 そのため、2000年代にWBCや五輪でトップを張っていたキューバや韓国は、力負けすることが増え、WBCに関しては決勝トーナメントに進出できない状況にまでなっている。一番直近の国際大会である東京五輪に関しても、キューバはアメリカ大陸予選で敗退。韓国はメルセデスやメジャーで本塁打王を獲得したバティスタ、メルキー・カブレラ、ファン・フランシスコを擁するドミニカ共和国に敗れてメダルを逃した。逆にドミニカ共和国は五輪の野球で初のメダルを獲得。日本と決勝で対戦した米国はNPBで活躍するオースティンやマクガフ、マルティネスを中心に2017年WBCのメンバーだったロバートソン、2015年に43本塁打を記録したフレイジャーなどを選出した。メジャーリーガーがいない大会とは言え、ここまで世界の野球に対する意欲が向上していた東京五輪で日本が金メダルを獲得したことは、非常に価値が高い。

 日本代表のレベルで見ると、投手を実力順に並べたとして見ても、レベルに差がほとんどないことが、他国と比較して日本の強みだと思われる。そのため、他国は先発やクローザーに力のある投手を起用し、2番手3番手のレベルはあまり高く無いこともあるため、そのイニングに試合が動く場面がある。日本は水準以上の投手を揃えていることから、多少調子が悪くてもすぐに変えることができるのも強みだろう。

 2013年のWBCでドミニカ共和国が、リリーフ投手を多めに選出して優勝したが、日本の投手も負けていない。2017年WBCは大谷 翔平投手(花巻東出身)の辞退があった中で、先発から中継ぎまでフル回転した千賀 滉大投手(蒲郡高出身)や平野 佳寿投手(京都鳥羽出身)、増井 浩俊投手(静岡高出身)といった強度のある速球とフォークを武器にした投手と秋吉 亮投手(足立新田高出身)や宮西 尚生投手(市立尼崎出身)、牧田 和久投手(静清出身)を中心に回したのが非常に効果的だった。

 2019年プレミア12では、甲斐野 央投手(東洋大姫路出身)や山﨑 康晃投手(帝京出身)、大竹 寛投手(浦和学院出身)、嘉弥真 新也投手(八重山農林出身)、田口 麗斗投手(広島新庄出身)、中川 皓太投手(山陽出身)が無失点を記録。そこに今では、先発の柱である山本 由伸投手(都城高出身)がリリーフ陣にいたため、圧倒的な投手陣だった。

 東京五輪も、千賀や大野 雄大投手(京都外大西出身)、岩崎 優投手(清水東出身)、山﨑康、伊藤 大海投手(駒大苫小牧出身)は無失点で、そこにフル回転した栗林 良吏投手(愛知黎明出身)がいた。

 どの大会も、その時に高いパフォーマンスを見込める異なるメンバーでここまで揃えられるのは、世界トップクラスの投手陣の層の厚さがわかる。また、日本人投手は昔から決め球として、フォークやスプリットを投げることが多い。肘への負担が比較的少ないチェンジアップなどがメジャーリーグでも主流となっているとは言え、スプリットをこれだけ扱えるのは世界で日本のみだろう。

 落ちる球を投げられる投手は野茂英雄や佐々木主浩、上原浩治、黒田博樹、岩隈久志、田中 将大投手(駒大苫小牧出身)、大谷、平野が活躍した。さらに、ダルビッシュ 有投手(東北高出身)や、前田 健太投手(PL学園出身)も縦の変化球を渡米後に強化して活躍しているのは、効果的な球だからだ。そのため、今の若手選手であれば千賀や山本 由伸、栗林、佐々木 朗希投手(大船渡高出身)などはメジャーリーガー相手でも対応できる可能性は高い。

 ただ、2010年代以降の国際大会で唯一優勝をしていないのはWBCだ。その状況で2023年の大会は非常に注目される大会だろう。そのため、メジャーリーガーでもトップクラスの大谷やダルビッシュを招集し、米国やドミニカ共和国が盤石の体制の中で、2009年大会以来の世界一を目指す。

(記事=ゴジキ)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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