News

全国V9度の神戸弘陵女子野球部が和歌山大と合同練習を実施「またこういう機会を」

2022.12.25

全国V9度の神戸弘陵女子野球部が和歌山大と合同練習を実施「またこういう機会を」 | 高校野球ドットコム
神戸弘陵女子野球部と和歌山大男子野球部が合同練習を実施

 近畿学生野球連盟に所属する和歌山大硬式野球部と、全国大会で9度の優勝を誇る女子高校野球の神戸弘陵学園高校女子硬式野球部が24日、和歌山県内のグラウンドで合同練習を行った。

 普段から親交のある和歌山大の大原弘監督と、神戸弘陵の石原康司監督が今夏、遠征先の愛知県のホテルで偶然同じ宿となり、シーズンが落ち着いたタイミングで両校が一緒にしようと話したのがきっかけで、クリスマスイブのこの日に男子の大学野球部と女子高校野球部の珍しい合同練習が実現した。

 午前9時過ぎにグラウンドに到着した神戸弘陵の約40人の選手たちは、ウォーミングアップの後、和歌山大が日頃の練習で実践しているドリルを学んだ。

 和歌山大の学生コーチ・中西陽さん(3年=富岡西)が練習の音頭をとり、ゴロ捕球、握り替え、カットプレー、飛球、バント捕球などのドリルメニューを、大学生と高校生が一緒に取り組み、高校生が積極的に質問する場面も多く見られた。

 午後からは神戸弘陵の選手を中心に打者、走者、投手、審判もつけて実戦練習。神戸弘陵の石原監督が、「女子野球全体の課題」と話す走塁面をテーマに、第2リードを含むリードの取り方、スタートのタイミング、打球判断、ヒット1本で生還できる走塁、守備ではランダウンプレーといった部分を和歌山大の選手が丁寧に説明した。和歌山大の選手が「もう1歩分いけるよ」などのアドバイスを送ると、神戸弘陵の選手も徐々にリードの幅が広がり、「短時間でこんなに変われるんだ」という声が出るほど目に見えて成果が表れるようになった。

 また、審判をつけて実戦と同じ形でやるため、プレーが切れた際には、「インプレーなら走者が走る。(練習でも)審判にタイムをとって、球を返すように」など、普段の練習では忘れがちになるようなアドバイスもあった。

 予定を1時間近くオーバーし、午後4時過ぎに全体のメニューは終了。

 神戸弘陵の三村 歩生主将(2年)は、「今日教わったことを生かして、春に選抜大会があるので、日本一を獲れるように頑張ります」と大学生に挨拶。石原監督も、「大学生がしっかりと言語化してくれて、丁寧に熱心に指導してくれた。その熱意に感動しました。うれしいです。またお願いしたい」と感謝した。

 刺激を受けたのは来春に3年連続の全日本大学選手権出場を目指す和歌山大の選手も同じ。合同練習で音頭をとった和歌山大学生コーチの中西さんは高校生が乗ったバスを見送り、「神戸弘陵の選手を見ていて野球を楽しんでいるという印象が強かった。自分たちもやらんとあかんという思いがあり、楽しむということを忘れがちになる。楽しむという本質を思い出す機会になった」と貴重な1日の感想を語った。

 合同練習を企画した大原監督はキャッチボールできれいなフォームで投げていた神戸弘陵の投手を思い出しながら、「あんなキャッチボールができる選手がウチの投手にも欲しいですね。みんな野球にかける思いが強く、吸収が早い。私たちも勉強になることがたくさんある」と話した。

 男子の大学野球と女子の高校野球。普段は違うカテゴリーではあるが、野球に打ち込む仲間であり、年齢も近い。お互いの指揮官が、「またこういう機会を」と話したように、近いうちにこうした交流がまた実現しそうだ。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.26

【福島】聖光学院が4連覇を達成<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉