試合レポート

東海大菅生vs国士舘

2022.10.30

両チーム、死力を尽くした激戦!延長12回 大舛の決勝打で東海大菅生が勝ち越す

東海大菅生vs国士舘 | 高校野球ドットコム
12回東海大菅生・大桝凌央決勝打を放つ

<秋季東京都高校野球大会:東海大菅生2-1国士舘(延長12回)>◇29日◇準々決勝◇スリーボンドスタジアム八王子

 夏の西東京大会でも準決勝で対戦した両校。この時は東海大菅生が勝ったが、延長戦に入る激戦だった。今回もやはり、激しい戦いになった。国士舘にすれば、東海大菅生の好投手・日當 直喜投手(2年)をいかに攻略するかがポイントになる。国士舘は3年生の好投手・小笠原 天汰に打撃投手になってもらい日當との対戦に備えた。

 試合はまず1回表、東海大菅生が1番・沼澤 梁成外野手(2年)の二塁打に4番・新井 瑛喜内野手(2年)の中前安打で1点を先制する。

 その裏、国士舘は1番・福 正吉内野手(2年)が左前安打で出塁すると、すかさず二盗を仕掛ける。これを東海大菅生の強肩の捕手・北島 蒼大(2年)が刺す。「攻めたかったけれども、相手のキャッチャーが良かったです」と国士舘の箕野豪監督は言う。その後、国士舘は日當の変化球にしっかり合わせ、安打3本を連ねたが、併殺打で得点できない。1回裏に安打4本を打ちながら得点できなかったことが、後になって響く。

 3回裏の国士舘は、1番・福が三塁打を放ち、敵失で生還し同点に追いつく。

「変化球を打たれたので、真っ直ぐで攻めました」と言う東海大菅生の日當は、4回以降は立ち直る。走者を出すことはあっても、時折、投げる瞬間叫び声をあげる気合の投球で国士舘に得点を与えない。

 国士舘の先発・岡田 大幹投手(2年)は、カットボールなど変化球のキレの良さに加え、フィールディングや牽制のうまさなど、投手としての総合力で2回以降は東海大菅生に得点を許さない。また遊撃手の真砂 龍大内野手(2年)らの好守備も光る。東海大菅生の遊撃手・門間 丈内野手(2年)の守備もよく、引き締まった好ゲームになった。

 同点のまま、両チームとも得点の気配がなく、試合は延長戦に突入した。11回裏、国士舘は2死から5番・石井 利篤内野手(2年)が二塁打を放つ。石井は日當の暴投で三塁に進む。6番・真砂は緩い当たりの遊ゴロ。内野安打の可能性もある打球であったが、東海大菅生の門間が落ち着いて打球を処理して得点を与えない。

 12回表は、好守の門間が二塁打を放ち、7番・大枡 凌央内野手(2年)の右前安打で門間が還り勝ち越し、東海大菅生が勝利を収めた。

 敗れた国士舘の箕野監督は、「新チームには手ごたえがありました。でも最後の一押しが足りませんでした」と語る。また好投した岡田は、「日當選手には絶対負けたくないという思いで投げました。今は最速が137キロで、130キロ台がアベレージですが、140キロ台に上げていきたいです」と語った。

 一方、決勝打の大枡は、「浮いた球をしっかり捉えました。日當のために点を取ろうと思いました」と語る。試合後、若林弘泰監督から「今日だけはほめてやる」と言われたそうだ。大枡は石垣島の出身。南の島から、新たなヒーローが誕生した。

 準決勝は日大三と対戦する。昨年の秋から4大会連続の対戦になり、最近の3試合は日大三が勝っている。「3連敗しているので、やられっぱなしにはしたくないですね」と若林監督は語る。秋の東京の準決勝は、夏の西東京大会の決勝戦と同カードであり、ともに負けるわけにはいかないライバル対決である。

(記事=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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