試合レポート

山梨学院vs山村学園

2022.10.25

山梨学院が2年連続4強 1年夏から4番の髙橋が高校通算29号

山梨学院vs山村学園 | 高校野球ドットコム
3ラン本塁打を放つ山梨学院4番・高橋海翔内野手(2年)

<第75回秋季関東地区高校野球大会:山梨学院9ー1山村学園(8回コールド)>◇25日◇準々決勝◇レジデンシャルスタジアム大宮

 山梨学院(山梨)の4番に指揮官待望の1発が飛び出し、快勝で2年連続のセンバツ出場を手繰り寄せる1勝を手にした。

 髙橋 海翔内野手(2年)は1年夏から山梨学院の4番を張っている。東京都出身の髙橋は中学シニアリーグの強豪・世田谷西リトルシニアから山梨学院の門を叩いた。「声をかけていただいて、見学に行った際に、練習施設など野球の環境が良かったので」と野球部専用グラウンドに関東屈指の広さを誇る雨天練習場など野球に打ち込める環境に惚れ、入学を決めたという。

 関東大会では初戦の成田(千葉)戦では4打数1安打、この日も4打席目まで凡退と振るわなかった。「1年生から見ていますが、この関東大会が一番調子を落としているんじゃないか」と吉田監督は心配していたが、6点リードとして迎えた8回表の2死二、三塁の場面で、インハイの直球を振り抜き、左翼フェンスを越える3ランを放ちコールド勝利を決めた。

 あと1点でコールドの場面、サインプレーもよぎったが、4番の打撃に期待していた吉田監督も「勉強になったんじゃないか」と髙橋の成長ぶりに目を細めた。

 これが高校通算29本目。「何も考えずに振りました」と自分の打撃を取り戻す一打を振り返った。

 また、先発の背番号10の林 謙吾投手(2年)も8回2死まで4安打1失点と試合を作り、打っても先制打を含む2安打2打点と投打で活躍した。「今日は林デーだったんじゃないかと思います」と、新チームで初めてベンチ入りした右腕を称えた。

 投打がかみ合った山梨学院。頼れる4番も復調の兆しを見せ2年連続の関東ベスト4入りを果たした。関東屈指の強豪校としての威厳を示す戦いぶりだった。

(取材=藤木 拓弥

[page_break:山村学園 最速138キロの1年生左腕「本格派」への成長に期待]

山村学園 最速138キロの1年生左腕「本格派」への成長に期待

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2番手・西川 歩(山村学園)

<第75回秋季関東地区高校野球大会:山梨学院9ー1山村学園(8回コールド)>◇25日◇準々決勝◇レジデンシャルスタジアム大宮

 山村学園(埼玉)は4回から2番手のマウンドに左腕・西川 歩投手(1年)を送った。西川は1年春からベンチ入りを果たしている期待の下級生だ。地元・川越市立川越第一中時代には「埼玉西武ライオンズジュニアユース」のメンバーにも選出された実績がある。今春の関東大会でも準決勝の関東一(東京)戦で力投した。

 夏の埼玉大会でも、登板した2試合にわたり、9者連続三振を記録するなど高校でも実績を積んでいる。

 新チームになり背番号は11。「まだまだお子ちゃま。もっと精神的に強くならなければ」と岡野監督はさらなる成長を期待している。

 171センチ、68キロと決して大きくないが、癖のないフォームから最速138キロの直球を投じる。軽やかなマウンド捌きも様になっていて、器用さが感じられた。しかし、この日は「直球も変化球も悪かった」と誤魔化しながらの投球が続いた。

 8回には山梨学院の4番・髙橋 海翔内野手(2年)にコールドを決める3ランを被弾。そのままマウンドを降りた。「変化球でカウントが取れず、真っ直ぐを張られていた」と悔しさを滲ませながら語った。

 軸は直球。「変化球でカウントをとってストレートで勝負できる投手になりたい」。一冬を越え、山村学園の将来を担う左腕の成長に期待したい。

(取材=藤木 拓弥

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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