試合レポート

修徳vs錦城学園

2022.10.16

修徳 先発篠崎が錦城学園相手に完封!打でも2安打と躍動

修徳vs錦城学園 | 高校野球ドットコム
修徳 先発篠崎国忠

<秋季高校野球東京都大会:修徳5-0錦城学園>◇15日◇2回戦◇駒沢

 初戦で郁文館を7回コールドで下した修徳と、延長10回の激闘の末、5対4で都立紅葉川を破った錦城学園が顔を合わせた。

 修徳の先発は今大会注目の192センチを誇る大型2年生右腕、篠崎国忠投手。初回錦城学園2番の原雅道内野手(2年)に安打を許すも、素早い牽制でアウトにして、結果的に3人で抑える。

 その裏の攻撃、1死一塁で4番・逢坂拓未内野手(1年)が左中間に適時二塁打を放ち、一気にランナーが生還した。

 2回、篠崎は四球を2つ与え2死一、二塁のピンチを招く。それでも、8番・東野浩志内野手(2年)をきっちりと二ゴロに打ち取り、無失点で切り抜ける。

 すると、その裏の攻撃で8番・石川航大外野手(1年)の右前適時打、1番・染田棟煌外野手(1年)の犠牲フライで2点を加え、錦城学園先発の1年生投手・久保航太郎をマウンドから引きずり下ろす。

 錦城学園の2番手としてマウンドに上がった主将の前山大輔内野手(2年)は、3回こそ7番・島田尊弘外野手(2年)に左前適時打を浴びたものの、4回から6回まで気持ちのこもった投球で修徳打線を0に封じる。

 しかし、錦城学園は篠崎を前に足を絡めた積極的野球を試みるも、あと1本が出ず7回まで無失点に抑えられる。

 7回裏、修徳は3番・齋藤純捕手(1年)の左翼頭上を越す二塁打と、5番・齋藤紘内野手(1年)の意表をつくセーフティーバントなどで無死満塁とすると、6番・八木大地内野手(2年)の犠牲フライで追加点を奪うことに成功する。それでも前山は、後続を2者連続三振に抑え、この回を最少失点で切り抜ける。

 8回に錦城学園は1死一、三塁というチャンスを作ったが、盗塁死と3番・齋藤純が遊直に倒れ点には結び付かなかった。

 結果は、修徳の先発、篠崎が9回7安打無失点とピンチを作りながらも粘りのピッチングを見せ、錦城学園を完封した。

 試合後、修徳の荒井高志監督は「シンプルに甘い球を打ち返すといったことは徹底できた。守備も現段階では十分な力ではあるが、彼らの実力ではまだまだ」とポテンシャルの高い選手たちに更なる進化を求めた。新チームでは、「夏の敗戦から得たものを糧にして野球に対して考えをもってほしい」という。攻撃では、各バッターが守備形態を常にうかがい、隙があれば果敢にセーフティーバントを試みていた。また、攻撃前の円陣では、ベンチメンバーの選手たちが感じたことやデータを記したホワイトボードを用いて、選手間が情報を共有している場面も見られ、チームの一体感が感じられた。

 先発した篠崎は、今日のピッチングについて「完封はあくまでも結果。目標はチームの勝利であって特に意識はしていない」と語った。終盤のピンチも「バッターに集中することを意識することで、ランナーを背負っても冷静に投げられるようになった」と新たな収穫が得られたようだ。自身の持ち味であるという直球は「角度を生かして、スピードだけでなく質で抑えられるような球にしたい」と次戦への課題を掲げた。

 一方、敗れた錦城学園の玉木信雄監督は「1年生の久保を先発させたが修徳相手に気持ち負けし、腕が全く振れていなかった。攻撃では盗塁やエンドランなど仕掛けたが、結果としては上手くいかなかった」と攻守ともに課題を示した。

 2番手として粘りのピッチングを見せた主将の前山は「春のシード権がかかった試合。あと1本が出なかったのは気持ちが全面に出ていなかったからではないかと思う」と悔しさをにじませた。新チームでは、特に雰囲気づくりに気を配っているそうで「チームの雰囲気が良くなければ野球も上達しない。今冬は体を一回り、二回り大きくして打撃強化に努めたい」と来季への意気込みを語った。

(記事=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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