試合レポート

クラーク記念国際vs北照

2022.10.05

クラーク記念国際が終盤の逆転劇で勝利!北照はあと少し及ばず

<秋季北海道高校野球大会:クラーク記念国際3-2北照>◇3日◇準々決勝◇札幌麻生

 昨年の大会王者・クラーク記念国際と強豪・北照の対戦という好カードが実現した。クラークは初戦で旭川明成を下し、北照駒大苫小牧を初戦で、北見柏陽を2回戦で破っている。

 クラークは前の試合でエースの新岡歩輝(2年)が完投でエースとしての役割を果たし、北照上川貴之(2年)と田中太晟(1年)の2枚看板でこれまでの試合を勝ちあがってきた。クラークの打線は上位から下位まで当たりが出ており、バランスもいい。北照は上位を中心として好調を維持している。

 そんな両チームが激突する一戦。クラークは先発にエースの新岡、北照もエースの上川が先発だ。

 試合は序盤、両チーム無得点で進むが、4回に動きを見せる。クラーク記念国際は4回表、この回先頭の山田陽紫(1年)の内野安打などで1死二、三塁として5番・中村光琉(2年)の中犠飛で1点を先制する。

 準決勝へ向けて1点を返したい北照は5回裏、相手のエラーなどが重なって2死二塁として9番・茶村望海(1年)が適時中安打を放って1対1の同点とする。

 追いつかれたクラーク記念国際は7回表、4番・麻原草太(2年)の中安打、5番・中村の犠打などで2死二塁として、7番・坂本劣陽(れお、2年)の左中間を破る適時二塁打で1点を勝ち越すも、その裏に北照は1死二塁から9番・茶村は二ゴロ。しかしこの打球をセカンドがトンネルし、二塁走者が生還。2対2の同点となる。

 このまま試合は延長戦に入るかと思いきや、クラーク記念国際が試合を決めにかかる。8回表、クラーク記念国際はこの回先頭の髙橋歩希(いぶき、1年)が中前安打で塁に出ると、犠打や2番・山田の内野安打で1死一、三塁と逆転のチャンス。ここで迎えるは新岡。1ストライクの後、2球目の外角高めのストレートを捉えた。打球は中犠飛となって再び逆転。「(3塁走者が)うまく走ってくれてよかった」という結果が決勝点となり、クラーク記念国際が3対2で勝利。準決勝へと歩みを進めた。

 試合後、取材に応じたクラーク記念国際の佐々木啓司監督は、「調子はいつも通りだった(新岡)」という新岡について「いいピッチングだった。うまく投げた」と振り返った。この試合2安打と活躍した山田については「この大会になってから調子がいい」と調子の良さを認めた。

 この試合の勝利で連覇にまた大きく近づいた。次は「キタキツネ打線」の立命館慶祥との準決勝だ。「まずは明日ゆっくり休んで、(準決勝に)臨みたい」と落ち着いて話した。

 一方、敗れた北照の上林弘樹監督は「やれることはやった。結果については仕方ない」と淡々と話した。一時は同点となる適時打を放った茶村は今回の結果について「ミスが痛かった。自分は打撃を夏休みから磨いて頑張ってきた。悔いはない」と正面を向いて話した。そして「夏にはもっと大きくなって帰ってきたい」と静かに闘志を燃やしていた。

(文=小林 英介)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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