60%近くが自分の足のサイズを知らない?アシックスがサイズ計測会で自分の足に合ったスパイクを提案
ASICSの金具スパイク NEORIVIVE 4
グラブやバット以上に使っている時間が長いであろう道具は、スパイクではないだろうか。アップさえ終われば、練習が終わるまで着用し、選手たちのプレーを足元からサポートしている。近年では白スパイクの使用が認められたことで、注目度が高まっている。
ただ自分の足に合った適切なスパイク選びができなければ、スパイクにどれだけ素晴らしい性能があっても効果を発揮しない。自らの足にフィットしたスパイクを使うことが、ベストパフォーマンスを発揮する第一歩といっていい。
しかし、各校で話を聞くと多くの選手は「足の長さで選んでいます」という声が多く、足囲を見ていない選手がほとんどのようだった。
サイズを自分の感覚で合わせたうえで、デザインや値段で選んでおり、足の長さ同様に人それぞれ足囲に違いがあるにもかかわらず、スパイク選びの際には重要視していないのが現実だ。
それを裏付ける事実として、ロサンゼルス・エンゼルス・大谷翔平投手(花巻東高校出身)ら契約選手に道具を提供するスポーツメーカー・アシックスが実施した過去の調査で6割近くの選手が自身の足囲に合ったスパイクを選べていないことが判明。つまり中高生35万人近くいるうち、20万人以上が足囲に合ったスパイクを履けていないのではないか、という仮説に危機感を抱いているそうだ。
計測会の模様
足とスパイクの間でサイズによるミスマッチは、ちょっとした動きでも大きな違いを生む。
足元のズレは、足腰はもちろん、上半身や目線のズレにもつながりかねないことであり、最悪の場合ケガの可能性もあり得ることだ。そのリスクをアシックスは未然に防ぐ意味でも、足囲の重要性を伝えるために、「TRY! ASICS!」というイベントを開催した。
イベントでは足囲、いわゆるウイズに着目し、サイズを足の長さとともに測定。長さとウイズの両方の観点から自分の足に合った適切なシューズのサイズを調べて、実際に履いてみるという計測会だ。
このイベントでもウイズについて調査すると、約63%が自分に合ったウイズのスパイクを使っていない、約34%が測定結果よりも大きいサイズのスパイクを使用していることがわかったが、実際に話を聞いても「普段は28センチなのに、測ってみたら26センチのスパイクが適しているということがわかりました」と4サイズも大きいスパイクを履いている選手がいた。
イベント模様
このほかにも「測定した結果に基づいてフィットしたスパイクを使うと、打球を追いかけても踏ん張りが効きました」とプレー面でも足囲がジャストフィットしたスパイクを履いたことで、普段以上のパフォーマンスにつながったことを体感していた。
そして最も多く聞こえてきたのが、今後のスパイク購入への考え方だ。
「スパイクによって足囲が変わっていることを知ることができました。今回で足囲がどれくらいなのか。足囲を見て選ぶことが大事だとわかったので、これから買う時は注意して選びたいと思いました」
こうした声が出ただけでも、ウイズの存在と概念は十分に伝わっていることは明らかで、「TRY! ASICS!」そのものの開催意義は今後も大きな意味を持つことになるだろう。
新作・GOLDSTAGE I-PRO MA2
そんなアシックスでは、さまざまな足形の選手たちにできる限り応えるべく、同じスパイクでも足囲を変えたモデルを販売。同時に近年のニーズである軽量スパイクにも応えつつ、グラウンドとの接地時間を短くすることで推進力を高め、ダッシュ力をサポート。今回の計測でも多かったstandardウイズのモデルで新商品・GOLDSTAGE I-PRO MA2を販売している。このスパイクも試し履きが可能となっていたが「軽い!」や「走りやすい!」との声が多数あり、注目が集まっていた。
気になる軽さは店頭で見つけた際、手に取って確認してほしいが、最も大事なのは、どんなスパイクであれ妥協せずに足の長さ、そして足囲の2つがマッチした自分の足に合ったスパイクを購入してほしい。