尚志館vs鹿児島水産
継投決まらず、勝機を逸す・鹿児島水産
得点を挙げる尚志館(奄美新聞提供)
<第104回全国高校野球選手権鹿児島大会:尚志館3-2鹿児島水産(9回サヨナラ)>◇7日◇1回戦◇鴨池市民
鹿児島水産は立ち上がり、3連打で満塁とし、4番・園田冴粋(2年)の犠牲フライで先制。さらに相手のエラーで2点目を挙げた。
鹿児島水産の先発は背番号6の稲留優智(3年)。緩い変化球が武器の軟投派だが、この投球に強打の尚志館打線がはまってしまう。
5回まで毎回走者を出し、得点圏に背負いながらも、要所をしのいで得点を許さない。6、7回を稲留は三者凡退で切り抜けた。気が付けば8回表まで鹿児島水産が2点リードする展開が続いた。
終盤8回裏、尚志館は先頭の4番・曽田拓磨(3年)が内野安打で出塁する。ここで鹿児島水産は好投の稲留から背番号1のエース岩下透弥(2年)にスイッチした。
尚志館は四球、送りバントで二、三塁とし、7番・末吉涼(3年)が中前2点適時打を放ち、終盤で同点に追いついた。
鹿児島水産は3番手・馬場透輝(2年)を送って後続を断ち、9回表は途中出場の1番・小屋敷唯我(1年)が右越え二塁打を放ち、三塁まで進んで勝ち越しのチャンスを作ったが、力投を続けた尚志館のエース田之上昂稀(3年)が踏ん張った。
その裏、尚志館は1死から四球、3番・田原遼太郎(2年)の右越え二塁打で二、三塁とする。鹿児島水産は再び稲留をマウンドに送るも、申告敬遠で満塁とし、5番・坂上聡太(3年)に死球を与え、尚志館が辛うじて勝利をものにした。
(取材=政 純一郎)