試合レポート

西城陽vs東山

2022.05.15

元プロ監督率いる西城陽が春季大会初優勝!

西城陽vs東山 | 高校野球ドットコム
5回裏に勝ち越しの適時三塁打を放った西山幸一郎(西城陽)

<春季京都府高等学校野球大会:西城陽4-2東山>◇15日◇決勝◇わかさスタジアム京都

 西城陽東山を下して春季大会初優勝を飾った。

 西城陽は背番号11の坂尾 航大(3年)が先発。対する東山はプロ注目の橋本 翔太(3年)が4番投手で出場した。

 先制したのは東山。1回表に四死球から1死一、二塁のチャンスを作ると、橋本の右前適時打で1点を先制する。これで気持ちが乗ったのか、橋本の立ち上がりは絶好調。1回裏を三者連続三振に切って取ると、2回裏も捕邪飛と三振2つと圧巻の投球を披露した。

 だが、「2回以降は変化球でストライクを取れるように修正できた」と坂尾が得意球のスプリットを武器に守備からリズムを作ると、流れが次第に西城陽に傾く。3回裏に1死から8番・山本 悠太(3年)が四球を選び、初の走者を出すと、盗塁と内野ゴロで2死三塁とチャンスを広げる。ここで1番・森田 竜大(2年)の右前適時打で同点に追いつく。

 これで流れは一気に西城陽へ。5回裏に無死二塁から7番・西山 幸一郎(3年)の右翼線への適時三塁打で勝ち越し点を挙げると、1死後に9番・坂尾が中前適時打を放ち、リードを2点に広げた。さらに西城陽は7回裏にも2番・中田 爽太(3年)の左前適時打で1点を追加。好投手の橋本を攻略した。

 坂尾が7回1失点と先発としての役割を見事に果たすと、8回からはエース左腕の藤川 泰斗(3年)が登板。8回裏は橋本に適時二塁打を浴びて1点を失ったが、9回表は三者凡退に打ち取り、嬉しい初優勝をつかんだ。

 西城陽が京都の頂点に立ったのは甲子園に出場した1994年夏以来のことである。就任4年目で優勝に導いた元横浜(現DeNA)の染田賢作監督は「ずっと紙一重の試合でしたが、その試合を通じて選手がよく成長したと思います」と教え子の成長ぶりに目を細めた。

 染田監督は現役引退後に教員免許を取得して、初任校の乙訓で部長として2018年春に甲子園出場。翌年から西城陽の監督となり、指導者としてのキャリアを順調に積み重ねている。元プロの指導を受けたいと染田監督を慕って進学する選手も増えており、これから京都を代表する強豪となっていきそうだ。

 21日から開幕する近畿大会に向けて「京都の代表として恥じないようにしっかり力を出したい」と意気込んだ染田監督。公立の雄として堂々と強豪校に立ち向かってほしい。

(記事=馬場遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.08

慶應義塾は昨夏甲子園優勝バッテリーがスタメン!初回から4番・江戸 佑太郎の1発などで3点を先制!【香川招待試合】

2024.06.08

夏の神奈川に集った逸材野手20人! 横浜、東海大相模、桐光学園を中心に全国トップレベルが揃う【神奈川注目野手リスト】

2024.06.08

慶應義塾が四国王者の高松商、英明に連勝!!<香川招待試合>

2024.06.08

昨年春夏甲子園出場・北陸の卒業生進路 エースは筑波大へ! 早速公式戦で上々のデビュー

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.05

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在36地区が決定、徳島の第1シードは阿南光!第2シードに池田!<6月5日>

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.06.04

【東北】5日に抽選!秋春連覇がかかる青森山田、雪辱期す仙台育英と明桜の対戦相手に注目<地区大会組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得