西城陽vs東山
元プロ監督率いる西城陽が春季大会初優勝!
5回裏に勝ち越しの適時三塁打を放った西山幸一郎(西城陽)
<春季京都府高等学校野球大会:西城陽4-2東山>◇15日◇決勝◇わかさスタジアム京都
西城陽は背番号11の坂尾 航大(3年)が先発。対する東山はプロ注目の橋本 翔太(3年)が4番投手で出場した。
先制したのは東山。1回表に四死球から1死一、二塁のチャンスを作ると、橋本の右前適時打で1点を先制する。これで気持ちが乗ったのか、橋本の立ち上がりは絶好調。1回裏を三者連続三振に切って取ると、2回裏も捕邪飛と三振2つと圧巻の投球を披露した。
だが、「2回以降は変化球でストライクを取れるように修正できた」と坂尾が得意球のスプリットを武器に守備からリズムを作ると、流れが次第に西城陽に傾く。3回裏に1死から8番・山本 悠太(3年)が四球を選び、初の走者を出すと、盗塁と内野ゴロで2死三塁とチャンスを広げる。ここで1番・森田 竜大(2年)の右前適時打で同点に追いつく。
これで流れは一気に西城陽へ。5回裏に無死二塁から7番・西山 幸一郎(3年)の右翼線への適時三塁打で勝ち越し点を挙げると、1死後に9番・坂尾が中前適時打を放ち、リードを2点に広げた。さらに西城陽は7回裏にも2番・中田 爽太(3年)の左前適時打で1点を追加。好投手の橋本を攻略した。
坂尾が7回1失点と先発としての役割を見事に果たすと、8回からはエース左腕の藤川 泰斗(3年)が登板。8回裏は橋本に適時二塁打を浴びて1点を失ったが、9回表は三者凡退に打ち取り、嬉しい初優勝をつかんだ。
西城陽が京都の頂点に立ったのは甲子園に出場した1994年夏以来のことである。就任4年目で優勝に導いた元横浜(現DeNA)の染田賢作監督は「ずっと紙一重の試合でしたが、その試合を通じて選手がよく成長したと思います」と教え子の成長ぶりに目を細めた。
染田監督は現役引退後に教員免許を取得して、初任校の乙訓で部長として2018年春に甲子園出場。翌年から西城陽の監督となり、指導者としてのキャリアを順調に積み重ねている。元プロの指導を受けたいと染田監督を慕って進学する選手も増えており、これから京都を代表する強豪となっていきそうだ。
21日から開幕する近畿大会に向けて「京都の代表として恥じないようにしっかり力を出したい」と意気込んだ染田監督。公立の雄として堂々と強豪校に立ち向かってほしい。
(記事=馬場遼)