試合レポート

西城陽vs京都国際

2022.05.07

センバツ出場辞退の京都国際が敗退!藤川の好投で西城陽が4強入りを果たす

西城陽vs京都国際 | 高校野球ドットコム
京都国際に勝利した西城陽の選手たち

<春季京都府高校野球大会:西城陽3-2京都国際>◇7日◇準々決勝◇わかさスタジアム京都

 西城陽が府内公式戦で3季連続優勝中の京都国際を下した。

 京都国際は左腕の杉原望来(2年)が先発。「森下抜きでどこまでやれるか」(小牧憲継監督)とプロ注目のエース・森下瑠大(3年)はベンチスタートとなり、試合中は三塁コーチャーを務めていた。

 次期エース候補として期待されている杉原だが、この日は制球に苦しむ。2回裏に相手の失策で先制点をもらったが、3回表に2死満塁から押し出し死球で同点にされてしまう。さらに4回表にも3つの四死球で2死満塁のピンチを招くと、5番・上田庸補(3年)に遊撃への適時内野安打を浴び、勝ち越しを許す。杉原は4回を投げて115球8四死球と制球力に課題を残す結果となった。

 5回表から京都国際は右のエース・平野順大(3年)が登板。1死三塁のピンチを凌ぐと、その裏には1死満塁から自らの左犠飛で同点に追いつく。

 これで京都国際の流れになると思われたが、平野も制球が安定しなかった。四球と牽制悪送球で無死三塁のピンチを招くと、3番・藤川泰斗(3年)の遊撃ゴロを1年生ながらスタメンに抜擢された奥井颯大が後逸し、勝ち越しを許してしまう。「1年生を使ってミスをするのは僕の責任」とかばった小牧監督。打撃では2安打の活躍を見せたが、守備ではほろ苦い公式戦デビューとなった。

 なんとか逆転したい京都国際だが、西城陽のエース・藤川の粘り強い投球の前にあと1本が出ず、なかなか得点を奪うことができない。

 京都国際は1点を追う9回裏に2死三塁と一打同点のチャンスを作ると、ここで代打に森下を送る。普段は打撃でも中軸を担う森下に望みを託したが、二塁ゴロに倒れてゲームセット。西城陽が秋に4対13の7回コールド負けを喫した京都国際にリベンジを果たした。

 自責点0で完投勝利を収めた藤川は「素直に嬉しいです。我慢強く投げられたのが良かったです」と喜びを語った。京都国際を倒すことを目標に取り組んできただけにこの1勝の価値は大きい。

 元横浜(現DeNA)の投手である染田賢作監督は「あまり内容としては良くなかったですが、よく練習する子たちなので、最後に勝利の女神が来てくれました」と目を細める。3失策と守備に課題を残したが、藤川の粘投が勝利を呼び込んだ。

 敗れた京都国際の小牧監督は「なかなか流れが来ない中でどれだけ戦えるか。本当の強さがないからこういう戦いになってしまう。序盤から圧倒できる本当の力をつけないといけないと思います」と夏に向けての課題を話した。

 新型コロナウイルスに集団感染した影響で出場が決まっていた春のセンバツを辞退。4月1日から練習を再開して今大会に臨んだが、思うような結果を残すことができなかった。課題も多く見えた今大会。夏に向けてどこまで戦力を整えてくるだろうか。

(記事=馬場遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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