試合レポート

追浜vs横浜栄

2022.03.30

追浜vs横浜栄 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

14得点で打ち合いを制した追浜 3、4番の連続アーチで流れ呼び込む

追浜vs横浜栄 | 高校野球ドットコム
ホームランを打った追浜3番・佐野大陽

<春季神奈川県大会横浜南・横須賀地区予選Fブロック:追浜14-12横浜栄>◇29日◇横浜隼人高校グラウンド

 県大会を目指した追浜横浜栄の一戦は、両チーム合計26得点、試合時間は3時間を超える熱戦の末に、追浜に軍配が上がった。

 先攻の追浜は初回、3番・佐野大陽内野手(3年)の一打で先取点をつかむと、4回には3対4のビハインドから、再び3番・佐野の一打で同点に追いついた。

その後、両チーム得点を奪い合って、6対9で追浜3点ビハインドで8回に入る。

 1死から四球でランナーが出たところで、3番・佐野が初球をたたいて右翼席に突き刺すホームランにして8対9の1点差。さらに、ここまで3打数3安打と好調だった4番・遠藤千洋捕手(3年)が左翼席に持っていくホームランで同点に追いつく。

 それから追浜は8番・鈴木颯人内野手(2年)の犠牲フライで勝ち越すと、9回にも3番・佐野が2打点を記録するなど4点を加えて勝負あり。14得点で追浜が勝利を手にした。

 乱打戦の末に追浜が勝利をつかんだが、際立った存在が3番・佐野と4番・遠藤の2人だった。

 6打点を挙げた3番・佐野は、173センチ、70キロと細身ではあるものの、ベンチプレス最大70キロを持ち上げるパワーを持ち、この試合でも鋭いスイングで右翼へホームランを放つことで実力を見せつけた。

 後ろに体重を残しながらも、軸回転で捉えていくが、今日の活躍にはセンバツで見て学んだことが多かった。

 「大阪桐蔭市立和歌山戦で多くのホームランを打っていたので、どうして打てるのか見ていたら、タイミングを早めに取っていたので、自分も真似してみました」

 これまでは、相手投手が足を下ろすところでタイミングを取っていたが、この試合は足を上げ切ったところで、始動するようにしたという。若干の違いだが、「リラックスした状態からバットを振り出すことができました」と余裕をもって打ちに行けたことが、この試合で4安打の活躍に結びついていた。


追浜vs横浜栄 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

追浜vs横浜栄 | 高校野球ドットコム
ホームランを打った追浜4番・遠藤千洋

 4番・遠藤はそれ以上にすごい。4打数4安打と4番にふさわしい打撃を見せ、特に8回の左翼へのホームランは「少しつまり気味でした」と会心の当たりでなくとも、両翼90メートルの横浜隼人グラウンドのフェンスを越えた。

 178センチ、74キロの大柄な体格を生かすためにも、しっかりとテークバックをとったところから、割れを作って振り抜く。大きく力強いスイングという印象を受けたが、「鈴木誠也外野手(二松学舎大附出身)のような体に連動させた打撃フォームをイメージして、フルスイングを心掛けています」と話す。

 これが高校に入って初のホームランということもあって「ダイヤモンドを回っている途中で笑みがこぼれてしまいました」と改めて喜びをかみしめていた。ただ、捕手としては12失点していることを考えると、手放しで喜べない。

 「今後に向けても、今日は守備と投手陣が甘かったので、課題にしっかりと向き合いたい」と気を引き締めた。

 12得点を奪って猛追を見せたものの、追浜の前にあと少し手が届かなかった横浜栄。主将の小川稜太捕手(3年)は、「自分たちのリズムで野球をすることができなかった」と一言振り返った。

 本来であれば守備から入るのが横浜栄の形だったが、「神経を使う打線でしたので、追い込んでから甘い球を打たれてしまった」とマスク越しに相手打線の凄さと、敗因を詳しく語った。

 ただ投手陣に関して言えば、冬場は強い球を投げることをテーマにしてきたため、「内角を突くことができれば、幅が広がると思います」とやるべきことは明確になっている。12得点を取れた打線には手ごたえを感じた。あとは守備面がどれだけ改善されるかが、今後の横浜栄のポイントとなりそうだ。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.15

西東京大会は激戦ブロックが続出!昨夏甲子園出場の日大三は国士舘と同ブロック!【2024年夏の甲子園】

2024.06.15

東東京の横綱に上り詰めた帝京、関東一の軌跡~前田三夫と小倉全由、2人の名将~【東西東京大会50周年物語③】

2024.06.15

【福島】日大東北がサヨナラ勝ち、帝京安積はコールド勝ちで4強入り<春季支部選手権大会>

2024.06.15

今年の東京は「スラッガー大豊作世代」! 超進学校に現れた「プロ入り明言」の二刀流、木製で本塁打量産の早実のスラッガーなどが夏を盛り上げる【注目選手リスト】

2024.06.15

“超不人気”だった東京の高校野球を「3つの出来事」が変えた! 東京ローカルチーム・桜美林の全国制覇、都立高の甲子園出場、そして……【東西東京大会50周年物語②】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.11

センバツ出場・東北のレギュラー左翼手がプロボクサー挑戦へ! エースはENEOS、主力は國學院大、国士舘大などへ進学【卒業生進路】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.11

【北海道】十勝支部は12日に抽選会!帯広大谷、白樺学園の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.06.10

【沖縄】11日に抽選会!春の覇者・エナジック、ノーシードの沖縄尚学の対戦相手に注目<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得