昨年は開幕前に育成から支配下となった近藤がヤクルト前半躍進の原動力に!
岡山商科大時代の近藤弘樹
オープン戦も中盤に入ってきた。そろそろベテランや実績のある選手たちの出場機会が増えてくる。
若手や育成契約から支配下登録を目指す選手たちに残されたアピールの時間は多くない。開幕前の最後のアピールを行う育成契約の選手たちにとって、ゴールは支配下登録ではない。その先には1軍で活躍することが目指すべきところとなる。
さて、ここ数年、開幕前に育成契約から支配下登録を勝ち取った選手は、そのシーズンに1軍で戦力となったのだろうか。
昨シーズン、開幕前に支配下登録を勝ち取った育成選手を振り返ってみたい。尚、支配下登録への返り咲きも含めている。
投手では広島のコルニエル投手が中継ぎの一角として50試合に登板した。150キロを超える直球が武器で61.1回を投げ79奪三振。奪三振率は11.59となりチーム内では栗林 良吏投手(愛知黎明出身)の13.93に次ぐ2位の数字(投球回数10回以上)だった。10月には来日初勝利もマークしている。
同じく中継ぎではヤクルト・近藤 弘樹投手(安佐北出身)が奮闘した。近藤は2017年ドラフト1位で楽天に入団するも2020年オフに戦力外。再起をかけてのヤクルト入団だった。そんななか支配下登録を勝ち取ると、開幕から試合終盤で好投を続け、勝ちパターンに入った。試合中のアクシデントで離脱してしまったものの22試合で防御率0.96は立派な数字だ。前半戦でチームを支えたひとりとなった。
先発ではロッテ本前 郁也投手(札幌光星出身)が8試合に登板し1勝を挙げている。その他では日本ハム・長谷川 凌汰投手(福井商出身)、巨人・高木 京介投手(星稜出身)、楽天・渡邊 佑樹投手(富士学苑出身)が支配下登録された。
野手陣ではオリックス・佐野 如一外野手(霞ヶ浦出身)と巨人・八百板 卓丸外野手(聖光学院出身)のふたりが支配下登録された。しかし、いずれも1軍では目立った活躍をすることができなかった。
このなかで長谷川はオフに戦力外となり、今シーズンは日本ハムで再び育成契約となった。昨シーズン同様に支配下登録を勝ち取ることができるか注目が集まる。
(記事:勝田 聡)
<2021年開幕前に支配下登録された育成契約の選手>
※2021年2月1日以降
佐野 如一(オリックス)
10試合 打率.000(8打数0安打) 0本塁打 0打点
八百板 卓丸(巨人)
16試合 打率.167(12打数2安打) 0本塁打 1打点
コルニエル(広島)
50試合(61.1回) 1勝2敗10H 防御率3.82
長谷川 凌汰(日本ハム)
5試合(3.2回) 0勝0敗2H 防御率7.36
本前 郁也(ロッテ)
8試合(37.2回) 1勝2敗 防御率4.78
近藤 弘樹(楽天→ヤクルト)
22試合(18.2回) 0勝1敗11H 防御率0.96
高木 京介(巨人)
15試合(18.1回) 1勝0敗1H 防御率4.42
渡邊 佑樹(楽天)
9試合(5回) 0勝0敗2H 防御率5.40