早稲田大・中川 卓也内野手(大阪桐蔭出身)は、実に1つ1つのことを丁寧に行う。打撃、守備を見ると「洗練」という2文字が似合う。今年から二塁手へ転向となった。まだ転向したばかりとはいえ、小回りが利く。実にしなやかな動きを見せる。捕球練習の内容が非常に濃かった。
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大阪桐蔭時代と変わりない姿勢でチームを引っ張る
代表候補合宿に参加する早稲田大・中川 卓也内野手(大阪桐蔭出身)
スナップスローや、逆シングルで捕球して二塁へ送球することもあれば、逆シングルでボールをすくい上げて一塁へのスローや、一、二塁間の打球をグラブを伸ばして、回り込んでのスローと、あらゆる送球動作を用いて、練習を行っている。そこからノックに入っている。そのノックの前には投げ手が軽く投げたボールを捕球する練習も何パターンもあり、フットワークを鍛えている。中川はこの練習の意図について、こう説明をする。
「今は4種類くらいやっています。ゴロ捕球は基本の姿勢の確認です。捕る姿勢の細かいところのこだわりもそうですし、ファウルゾーンで2つやっていた練習は、下半身強化のメニューなので、下半身を強化することによって目線をぶらさずにするためです。内野手で目線がぶれたら命取り。そこの目線をぶらさないために下半身を強化しないといけない。そういったことをミックスさせて、その後にノックして実戦でどう動けるのかを確認したりしています」
こうした捕球練習は1時間にも及ぶ。
中川は秋のシーズンに三塁手から二塁手へコンバートされた。これまで何度か守ることはあっても、本格転向は野球人生初。中川は二塁手の難しさをこう語る。
「自分の中では内野で1番難しいポジションは二塁手だと思います。一から十まで覚えないといけないですし、やらないといけないことがいっぱいあります。でも、それをやりきった時には強いチームというか、個人としても強い選手になると思います。二塁手、遊撃手が確立できれば強いチームになると思うので、重大だなと思ってやっています」
中川は大学では三塁手だったが、高校では2年生の時は一塁手、3年生の時は三塁手がメインで、遊撃手の根尾 昂(現中日内野手)がマウンドに上がる時には遊撃を守った。二塁手への転向で、内野全ポジションが守れることになる。22年の大学生は強打者や強打の捕手タイプが多いが、意外にも内野の全ポジションが守れる選手は少ない。大卒プロを狙う中川にとっては、この点に関して他の選手との差別化が図れる強みとなる。しかし、その目標を大きく実現させるためには、打撃成績を向上させることが不可欠になる。
中川もこの点について強いこだわりを持っていた。
(記事:河嶋 宗一)
リーグ戦での早稲田大・中川 卓也内野手(大阪桐蔭出身)