News

寒い環境とパフォーマンス

2021.12.17

寒い環境とパフォーマンス | 高校野球ドットコム
寒いと体が縮こまってしまいがち。糖質補給、水分補給をしっかりと行おう

 寒いときはどうしても体が丸まって顔や肩などをはじめ、体全体に力が入りがちです。気がつけば歯を食いしばっていたり、首をすくめていたりといったこともあるでしょう。人間は外気温に左右されない恒温動物ですが、なんとか体の熱を奪われないようにと皮膚の血管が収縮して血流を減少させたり、筋肉が自分の意志とは関係なく収縮し、ふるえることによって熱を発生させたりして体温を保とうとしています。

 長時間の寒冷環境にさらされると、筋温や深部体温(体の内部温度)は次第に低下します。筋収縮による力発揮は低温になるほど反応速度が低下し、パフォーマンスにも影響を及ぼすようになります。また短期記憶や集中力の低下などもみられることがあるほか、血流の阻害によって末端部にある指先が冷たくなったり、しびれたりといったことも起こります。排尿の回数が増えるのにあまり汗をかかないため、知らない間に脱水状態におちいることもあります。

 熱中症対策の一つとして暑さになれる「暑熱馴化(しょねつじゅんか)」の重要性が指摘されていますが、寒い環境で運動を行うときにも「寒冷馴化(かんれいじゅんか)」といって寒い環境に体をなれさせる方法があります。普段過ごす部屋の暖房の設定を見直し、環境温度をやや低めにして、少しだけ薄着で過ごしすようにするものです。寒さになれてくると寒さに「鈍化」し、少しくらいの寒い環境ではふるえが起こらなかったり、皮膚の血管収縮が抑制されたりといったことが見られるようになります。このことにより皮膚表面の「断熱性」が高くなり、体温を保つ働きが強くなります。

 寒い環境下で運動を行うときは補食などで糖質をやや多めにとることを心がけましょう。保温のためにエネルギー消費が高まることに加えて、自分の意志とは関係なく起こる筋肉のふるえなどもエネルギーを消費するためです。脱水にならないための水分補給もあわせて行い、寒い環境の中でも良いパフォーマンスが発揮できるように準備しておくことが大切です。

文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.15

獨協大の新入生に専大松戸の強打の捕手、常総学院のサード、市立船橋のトップバッターが加入! 早くもリーグ戦で活躍中!

2024.05.15

【島根】出雲商-三刀屋、大田-益田東など初戦から好カード<地区大会組み合わせ>

2024.05.16

【秋田】夏のシードをかけた3回戦がスタート、16日は大館鳳鳴などが挑む<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?