新人王の誕生で投手王国へ前進?主力へ成長しつつある広島の2020年指名投手たち
都市対抗野球 決勝前に始球式をした栗林良吏投手
15日のNPBアワードで、セ・リーグの新人王に輝いた広島の栗林良吏投手(愛知黎明出身)。これで広島としては森下暢仁投手(大分商出身)に続き、2年連続で新人王が誕生したことになる。2020年のドラフト指名選手を見渡すと、投手王国・広島を予感させる逸材ばかりが並んでいたが、栗林を筆頭に首脳陣も期待して起用していたことが成績面から見えてきた。
1位 栗林 良吏
1敗 37セーブ 防御率0.86
53試合登板 52.1回 奪三振81 奪三振率13.93 K/BB2.89
2位 森浦大輔
3勝3敗 17ホールド 防御率3.17
54試合登板 48.1回 奪三振41 奪三振率7.63 K/BB1.95
3位 大道温貴
4勝4敗 3ホールド 防御率4.75
24試合登板 53回 奪三振35 奪三振率5.94 K/BB1.40
4位 小林樹斗
0勝0敗 防御率9.82
1試合登板 3.2回 奪三振6 奪三振率14.73 K/BB3.00
5位 行木俊
1軍登板なし
新人王・栗林の活躍はドラフト1位にふさわしいものだった。リーグ3位の37セーブは新人最多タイ。さらに20試合連続セーブは歴代2位の記録をマークした。さらに今夏の東京オリンピックでも胴上げ投手になるなど、凄まじい活躍ぶりだった。
そんな栗林以上に登板機会が多かったのがドラフト2位・森浦だ。チームトップとなる54試合に登板。左の中継ぎとして広島ブルペン陣を支え、5月にはプロ初勝利を掴んだ。またルーキーでは最多となる53回を投じたドラフト3位・大道は、シーズン序盤は中継ぎを任されていたが、6月から先発へ配置転換。8月を最後に1軍の舞台から離れたものの、シーズン中盤までで先発、中継ぎを経験したことは2年目のシーズンにつながるはずだ。
シーズンの最終戦に先発マウンドを任されたドラフト4位・小林は、それまではファームで研鑽を重ねた。ファームで勝ち星はつかめなかったが、30回を投じて21奪三振を記録。期待を持たせる投球を見せただけに、2年目の飛躍を楽しみにしたい。
ドラフト5位・行木はファームでも1試合の登板でシーズンを終え、先日育成選手として再スタートを切ることが決まった。支配下復活へ、来年からは1日1日が勝負となる。
新人王が誕生する一方で育成選手として再契約を結ぶ投手もいたが、投手王国へ近づきつつある広島。2年目を迎える彼らが、来シーズンにどのような活躍を見せるのかが楽しみだ。