【都市対抗】高2の夏甲子園で完封した170センチ右腕が、たくましさ見せつけた
上田西時代の草海 光貴
170センチのエースが大きく見えた。都市対抗2日目の1回戦でセガサミー(東京都・東京第3代表)の5年目右腕、草海(くさがい)光貴投手(上田西出身)が、北海道ガス(札幌市・北海道代表)相手に先発8回1失点の投球でチームに初戦突破をもたらした。昨年チームを4強に導いた右腕が、今年も健在ぶりを見せつけて、初出場チームを10対1で撃破した。
どこにそんなパワーがあるのかと思うくらい、170センチ、66キロの体全体を使って140キロ超の速球を投げ込んだ。最速146キロを誇る右腕は、大きなカーブ、カットボール、ツーシーム、チェンジアップも自在に操った。8回を投げ5安打7奪三振1四球で1失点。スイスイと101球を投げ、犠飛で失った1点だけに抑えきった。
甘いマスクには見覚えがある。2015年、上田西(長野)2年夏、甲子園に出場した。初戦で宮崎日大相手に無四球完封劇をマーク。6回までわずか2安打の計6安打4奪三振の内容だった。小さく、細身の体に甘いマスクも似合っていたが、甲子園のマウンドではさらに大きく見えたものだった。打ってもこの試合2安打を放つなど、野手としても将来性を感じさせる選手だった。
セガサミーでは野手で入社。しかし打撃が向上せずに野手は断念して、3年目から投手に転向した。昨年は、広島にドラフト1位で入団した栗林 良吏投手(愛知黎明出身)擁するトヨタ自動車と初戦で対戦し、先発した栗林と投げ合った。7回2失点だった栗林に対して、草海は先発6回途中無失点と勝利に貢献した。投手中心の高校時代から、社会人では野手に挑戦も、再び投手に戻った苦労人。今年は頂点を狙っている。
9回はオリックスにドラフト6位指名を受けている横山 楓投手(宮崎学園出身)が締めて盤石な投手陣をアピールした。甲子園完封歴のある170センチのエース草海が、東京ドームでも躍動する。