試合レポート

飯塚vs福岡大大濠

2021.10.17

飯塚vs福岡大大濠 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

190センチ飯塚エース白浜が「苦難」乗り越え、福岡大大濠破って4強へ

飯塚vs福岡大大濠 | 高校野球ドットコム
飯塚・白浜 快起投手

 昨年センバツ出場の福岡大大濠と、夏4強の飯塚の対決。福岡市の雄と、筑豊地区の雄の対決とあって、注目されていたが、予想外の展開となった。190センチの最速145キロ右腕、飯塚白浜 快起投手(2年)が、福岡大大濠打線をどこまで抑え込めるか。最大の焦点が、まさかの展開になる。

 飯塚が2回に福田力輝が先制適時打を放って飯塚がリズムに乗ると思いきや、その裏に福岡大大濠9番の吉田 颯が勝ち越しのソロを放って福岡大大濠が逆転した。しかし、飯塚は3回にエース白浜の適時打などで4得点を挙げて一気に主導権を握った。白浜は3回以降、6回まで1点に抑え、立ち直ったに見えた。味方打線は7回に2点を追加して7対3で迎えた7回裏にドラマが待っていた。

 福岡大大濠が白浜の制球が乱れたところで押し出し死球で1点を加えてなおも二死満塁から吉田がこの日2本目となる逆転満塁弾を放った。一振りで福岡大大濠が試合をひっくり返し、このまま逃げ切るかと思いきや、またまたドラマが待っていた。

 8回、飯塚打線が目を覚ます。3連打などで一気に5得点。逆転のホームを踏んだ白浜は何度も右手を振って喜んだ。白浜は8回を投げて10失点。それでも打線が17安打12得点を奪って、壮絶な打撃戦を制したのは飯塚だった。

 白浜は反省しきりだった。「みんながあれだけ打ってくれたのに、申し訳なかった。やっぱり福岡大大濠打線は圧があったし、後半疲れてしまった」。実はアクシデントに見舞われていた。7回の満塁弾を浴びる前に、右ひじに死球。9回の攻撃でも脇腹に死球を受けた。2度にわたる死球に「仕方ないです」と4番としてマークされることは受け入れ「肘は影響なかった」と170球にも言い訳にはしなかった。

 吉田 幸彦監督も「エースなんだからもう少し抑えてくれないと困る」と苦言。それでも打線が12点を奪ったことには「途中からバッティングカウントの時はとにかく振れと話しした。それが後半の猛攻につながった。九州大会には何が何でもいきたい」とセンバツ出場へ意欲を燃やしていた。

 福岡大大濠はエース格の馬場 拓海投手が肘の故障で秋はベンチに入っていなかったのが最後には響いた。9番吉田は2発を含む4打数2安打5打点の大活躍。チームも12安打10得点も届かず、九州大会に行けずに、2年連続センバツの目標は絶望的となった。「いろんな投手でなんとかと、思っていたが、飯塚さんのようなチームにはやはり抑えきれなかった。森本も調子を落としていたし、この冬でなんとか調整して、この悔しさを糧に、夏に向かっていきたい」。八木 啓伸監督は、投手陣の立て直しを中心に、リベンジを誓った。

(記事=浦田由紀夫


飯塚vs福岡大大濠 | 高校野球ドットコム
飯塚・白浜快起が適時打に喜ぶ

飯塚vs福岡大大濠 | 高校野球ドットコム
飯塚・福田力輝が先制打を放つ

飯塚vs福岡大大濠 | 高校野球ドットコム
福岡大大濠・山下恭吾

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

U-18代表候補・西尾海純(長崎日大)、甲子園で活躍する幼馴染にむき出しのライバル心「髙尾響には負けたくない」

2024.05.16

【秋田】夏のシードをかけた3回戦がスタート、16日は大館鳳鳴などが挑む<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?