試合レポート

藤沢翔陵vs法政二

2021.07.11

見応え十分だった橘、赤間の投手戦。藤沢翔陵が法政二を完封で下し2回戦へ

藤沢翔陵vs法政二 | 高校野球ドットコム
ガッツポーズを見せる先発の橘海斗(藤沢翔陵)

 7月11日、2日目を迎えた第103回全国高等学校野球選手権神奈川大会は、[stadium]川崎市等々力球場[/stadium]で2試合が行われ、第1試合では藤沢翔陵法政二が対戦。試合は両投手の好投が光る引き締まった試合となった。

 藤沢翔陵の先発・橘 海斗は、最速137キロの力強い真っ直ぐとキレのあるスライダーを武器とする本格派右腕。特にスライダーはキレだけでなく制球力も非常に高く、カウントを取るボールも決め球にもなる。直球とスライダーのコンビネーションが序盤から光り、スコアボードに「0」を並べていく。

 一方の法政二の先発・赤間 梢吾も安定感のある変則左腕で、橘に引けを取らぬ好投を見せる。インステップするフォームが特徴的で、クロスファイヤー気味に投げ込むボールが藤沢翔陵打線をことごとく詰まらせる。また横滑りするスライダーも左打者にとって脅威となるボールで、5回までに許したヒットは僅か1。

 橘、赤間の両投手の好投で、前半の5回を終えて得点は0対0と熾烈な投手戦となった。

 だが後半の6回に入ると、試合が大きく動き出す。
6回表、藤沢翔陵は連打と四球で一死満塁のチャンスを作ると、4番・今井 諒真選手が右犠飛を放ち、遂に欲しかった先制点を挙げることに成功する。
直後の6回裏には一死二塁のピンチを背負ったが、ここは橘が粘り強い投球で後続を断ち、法政二の追い上げを許さない。

 この日の橘には、1点あれば十分だった。
7回以降も法政二打線を寄せ付けず、被安打5、7奪三振の完封勝利。法政二を下し、2回戦進出を決めた。

 試合後、橘は「ピンチの場面ではギアを上げて、三振を取りたい場面で三振を取ることができました。それでもまだ浮いた球が多いので60点くらいです」と語り、会心の投球にも浮かれた様子を見せない。
実は橘は、昨秋に肘を痛めた影響から春季大会は背番号11で登板もなし。3月から徐々に投球を開始し、夏にかけての練習試合で結果を残して再びエースに返り咲いた。

 復活の投球に、手応えを感じている様子を見せる橘。2回戦の横浜緑ケ丘戦(14日)では、どんな投球を見せるのか注目だ。

 一方、敗れた法政二

 先発の赤間も僅か1失点と素晴らしい投球を見せたが、6回の投球が悔やまれる結果となった。

 「今日の投球は95点です。今まで一番良い投球ができましたが、(6回の)1点に悔いが残ります。もう少し、気を引き締めればよかったです」と悔しさを滲ませる赤間。卒業後は大学に進学し、東京六大学野球での活躍を目指すつもりだ。

 高校野球での悔しさを、大学野球にぶつけることに期待したい。

(文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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