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三菱重工広島 75年の最後を飾る都市対抗切符を獲得!

2020.10.05

三菱重工広島 75年の最後を飾る都市対抗切符を獲得! | 高校野球ドットコム
3年ぶり17回目の都市対抗出場を決めた三菱重工広島

 2020年11月22日(日)から12日間の日程で東京都文京区の東京ドームで開催される「第91回都市対抗野球大会」代表32枚の切符を巡り、現在全国各地で熱戦が展開されている社会人野球。予選からチーム名でなく所属都市名の代表としてで闘い、かつ本戦では補強選手制度が採用される独特の大会形式は、高校野球における甲子園と共に日本野球の一風景となっている。

 うち、一次予選を突破した8チームのうち2チームが代表権を得る中国地区予選は9月28日(月)に広島県東広島市の東広島アクアスタジアムで開幕。2グループ4チームずつに分かれての上位2位が準決勝に進出。4チームトーナメントの勝者が第1代表権、敗者復++活変則トーナメントの勝者が第2代表の権利を得る。

 そんな中、第1代表決定戦に残ったのはこの2チームだった。1つは負ければ終わりのグループリーグ最終戦で東広島市代表・伯和ビクトリーズに逆転勝ちを収めた勢いのまま、準決勝では昨年北海道日本ハムファイターズドラフト1位・河野 竜生投手を輩出した福山市・倉敷市代表・JFE西日本を10対2で撃破した広島市代表・三菱重工広島。

 もう1つはこちらも負ければ終わりのグループリーグ最終戦で昨年、2大全国大会出場の岡山市代表・シティライト岡山に2対1で競り勝ち、準決勝でも昨年、福岡ソフトバンクホークスドラフト1位の佐藤 直樹外野手がいた広島市代表・JR西日本に対し、帝京大卒ルーキーの最速151キロ右腕・廣畑 敦也が無四球完封を果たした倉敷市代表・三菱自動車倉敷オーシャンズ。

 特に最近でも大下 佑馬(東京ヤクルトスワローズ2017年ドラフト2位)、杉山 一樹(福岡ソフトバンクホークス2018年ドラフト2位)の両右腕を輩出している名門・三菱重工広島は来年より三菱重工名古屋(名古屋市)と共に三菱パワー(横浜市)、三菱重工神戸・高砂(神戸・高砂市)へ統合されることが決定済。よってスタンドには「75年目のフィナーレをドームで」を強く願うファンが数多く詰め掛けた。


三菱重工広島 75年の最後を飾る都市対抗切符を獲得! | 高校野球ドットコム
大会首位打者賞を受賞した三菱重工広島・佐々木 駿捕手

 そして三菱重工広島は熱き声援に完璧な試合運びで応えた。まず1回裏は一死二・三塁から「悔いなくプレーすることだけを意識していた」4番・松永 弘樹(一塁手・広島広陵~早稲田大卒10年目)の遊ゴロなどで3点。2回裏・5回裏にも1点ずつを加えると、先発の元侍ジャパン社会人代表右腕・鮫島 優樹神村学園~MSH医療専門学校卒11年目)も「コースの出し入れに気を付けた」心憎い内容で8回102球6安打5奪三振無四球の無失点。完全に流れを引き寄せた。

 

 こうして7対0で迎えた8回裏。三菱重工広島は今シーズン限りでの引退を明らかにしている途中出場・実政 太一如水館卒16年目)の安打など、再び「つながる打線」が機能。最後は二死から大会最高殊勲選手賞を獲得した6番・青木 拓巳(中堅手・関大北陽~関西大卒6年目)の適時打と、大会首位打者賞の8番・佐々木 駿(捕手・桐光学園~國學院大卒6年目)の2点打で10対0。大会規定によるコールド勝ちで、3年ぶり17回目となるチーム最後の都市対抗切符を「中国地区第1代表」として獲得した。

 かくして75年の歴史のフィナーレは東京ドームで飾ることが確定した三菱重工広島。しかし、元広島東洋カープ、阪神タイガースで15年間プレーした町田 公二郎監督は「またみんなと野球ができることがうれしい」と話した後にこうも誓った。

「目標は日本一。ここを通過点として次のステージへ進みたい。悔いのない、いい形で終わりたいですね」

 1979年には都市対抗初出場初優勝を果たしている三菱重工広島。それから41年の時を超え、彼らは最後の試合を勝ったまま終わるための努力を日々続けていく。

取材=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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