試合レポート

昭和一学園vs都立杉並工

2020.09.20

新エース・池田晴人が好投!7回コールドで昭和一学園が八王子の待つ代表決定戦へ

昭和一学園vs都立杉並工 | 高校野球ドットコム
昭和一学園先発・池田晴人

 旧チームは館 慎太郎風戸 佑斗の2人の好投手を擁した昭和一学園明大中野八王子に3回戦で敗れ、新チームを発足して迎えた初戦・都立杉並工戦。2人ともに夏を経験している馬渡 優太は残っているが、その馬渡とともに昭和一学園を支える新たな好投手誕生を予感させる選手が出てきた。

 それがエースで先発した池田晴人だ。タイプとして風戸に近いが、左足をショート方向へ上げていきながら身体に捻りを加え、大きく回しながらテイクバックをとりながらトップの位置まで右腕を持っていく。そこから力強く腕を振り抜き、リリースの瞬間にボールに力を加える。上半身の力を上手く使った投球フォームからはキレのあるボールが投げ込まれていく。

 ストレートの最速は130キロ前後とのことだが、スピード以上のものをボールからは感じることが出来る。その真っすぐを軸に、夏休みの期間中に磨いてきた落差のあるスライダーなどの変化球を駆使してピッチングを展開した。

 田中監督も「夏から任せてきていましたので、それなりに投げてくれました」と評価した池田は2回に都立杉並工の5番・増田佑太、3回には9番・新垣孝幸、そして4回には3番・鶴﨑大輝にヒットを許すも、後続を断ち切ってホームを踏ませない。

 一方の打線は初回に3番・倉田大地のホームランや相手のエラーなどで2点を先制。倉田はしっかりと前へ重心を乗せてボールに力を伝えられる打者で、パンチ力を持った強打者。2回にもタイムリーを放つなどクリーンナップとして打線を牽引する活躍を見せた。

 7対0と昭和一学園がリードして迎えた5回から2番手・馬渡がマウンドへ。がっちりとした体格から力強いボールを投げ込むパワー系の投手。下半身をしっかりと使った投球フォームで、スリークォーター気味の高さから鋭く曲がるスライダーは都立杉並工打線に効果的だった。

 その馬渡が都立杉並工6番・高倉大陽に死球を与えながら5回を無失点に抑えると、そのまま都立杉並工打線をシャットアウト。昭和一学園が7対0のコールドで八王子の待つ代表決定戦へ勝ち進んだ。

 中1日で決戦を迎えることとなるが、田中監督は「相手が力のあるチームであることはわかっていることので、うちがどこまで食い下がれるか。相手に関係なく、自分たちの力が出せるかですね」と次戦に向けてコメント。好投を見せた池田は「1球1球集中して絶対に勝ちたいと思います」とはっきりとした口調で意気込みを語った。

 敗れた都立杉並工はヒット3本となかなかチャンスが作れなかった。井上監督も「普段バッティング練習でやっていることを出せればいいと伝えたのですが、気持ち的に押されてしまって引いてしまったんだと思います」と試合を振り返る。

 新チームスタート時は7人で単独出場も危ぶまれるところで、2人が入部して9人で活動してきた都立杉並工。こうした中でも投手の成長に手ごたえを感じているという井上監督。だからこそ野手の守備力向上を春への課題に掲げた。

 主将の増田は「予選で1勝できるように守備のミスを無くして、打撃ではチャンスで得点を獲れるようにしていきたいです」と春の予選1勝を目標にレベルアップすることを誓った。

(記事=田中 裕毅)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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