安田と種市がすでに一軍の主力に!千葉ロッテマリーンズの高卒4年目までの若手たち
安田尚憲(履正社出身)
今シーズンのペナントレースは一軍人数、そしてベンチ入り人数が増枠されている。例年よりも連戦が多いこともあり、ベテラン勢を中心とした主力選手たちが積極的休養という形で、スタメンから外れるケースも多い。そんな状況も相まって、各球団が若手選手たちを一軍で起用する機会は増えている。
そこで各球団の若手、とくに高卒4年目(2016年ドラフト以降)までの選手たちがどのような活躍を見せているか振り返ってみたい。
今シーズンは首位争いを演じているロッテ。そのなかで4番としてチームを引っ張っているのが安田尚憲(履正社/2017年1位)である。安田は開幕一軍を勝ち取ったものの、6月終了時点では打率.053(19打数1安打)とまったく結果が出ていなかった。
しかし、7月に入ってからは徐々にあたりが出だすと、7月21日からは4番を任される。4番に座ってからは30試合で打率.268(112打数30安打)、2本塁打、23打点とまずまずの数字を残してきた。井上晴哉やマーティンといった強打者がいる中で、高卒3年目ながら4番を任されていることからも、井口資仁監督の期待の高さがうかがえる。
同期にあたる村上宗隆(ヤクルト)が4番としてチームを引っ張り、首位打者争いに加わっているのと比べると寂しい数字に映るかもしれないが、まだ高卒3年目である。本来であれば、試合に出場しているだけでもすごい。それが4番として出場しているのは、称賛に値する。
一方の投手では種市篤暉(八戸工大一/2016年6位)が、開幕ローテーションに入り3勝を挙げた。直後に右ひじの違和感で登録を抹消されたのは気がかりだが、エースクラスへの階段を登り始めていることは間違いない。登録抹消後に二軍での登板もなく、復帰には少し時間を要するかもしれないが、エース候補の逸材だけに無理をさせることはなさそうだ。
入団4年目以内の高卒若手は安田と種市のふたりしか、今シーズンは一軍で出場を果たしていない。というのも、種市と同期にあたる2016年組の島孝明(東海大市原望洋/2016年3位)はすでに現役を引退しており、安田の同期はひとりもいないからだ。
藤原恭大(大阪桐蔭/2018年1位)ら2年目の選手たちは、今シーズン一軍での出場機会はないものの、二軍ですでに多くの出場機会を与えられている。一軍が優勝争いをしていることから、一軍昇格のハードルは高いが、結果を残すことでその切符を掴みたいところ。また、佐々木朗希(大船渡/2019年1位)は一・二軍を通じて登板はない。
このように高卒3年目、4年目の選手たちが一軍で主力となっているロッテ。藤原ら2018年組も来シーズンは一軍の舞台で輝くことができるだろうか。
【高卒選手のドラフト指名】
※2016年〜2019年ドラフト
<2016年>
3位:島孝明(東海大市原望洋)※すでに現役引退
6位:種市篤暉(八戸工大一)
<2018年>
1位:藤原恭大(大阪桐蔭)
4位:山口航輝(明桜)
6位:古谷拓郎(習志野)
8位:土居豪人(松山聖陵)
<2019年>
1位:佐々木朗希(大船渡)
4位:横山陸人(専大松戸)
※数字は2020年8月23日終了時点
(記事:勝田聡)
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