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藤川球児は高卒と出身として初めての250セーブ到達なるか?

2020.06.29

藤川球児は高卒と出身として初めての250セーブ到達なるか? | 高校野球ドットコム
藤川球児(阪神)

 今年7月に40歳となる藤川球児(阪神)が、6月27日のDeNA戦で今シーズン初セーブをマーク。これで日米通算244セーブ(日242、米2)となった。名球会入りの条件のひとつである日米通算250セーブまであとわずかに迫っている。

 ここでNPBにおける歴代のセーブ数ランキング(日本人選手のみ)を見てみると、意外なことに高卒出身の選手がほぼいない。ランキングのトップに燦然と輝く岩瀬仁紀は大卒社会人からプロ入りを果たしており、MLB経験のある高津臣吾佐々木主浩のふたりはともに大卒からのプロ入りだ。

 高卒の選手では江夏豊の193セーブ、現役では松井裕樹(楽天)の139セーブが最多となっている。しかし松井は今シーズンから先発へと再転向したこともあり、数字を伸ばせるかは微妙な状況である。

 積み上げ型のスタッツは、現役でプレーできる年数が長くなりやすい高卒出身の選手が上位に名を連ねる占めることがほとんどである。投手であれば勝利数、野手であれば安打数や本塁打数は高卒の選手が上位に並ぶ。

 2リーグ制以降にプロ入りし200勝以上を記録している投手を見ても、大卒出身者は村山実(222勝)と黒田博樹(203勝※日米通算)のふたりだけ。前人未到の400勝を挙げた金田正一をはじめ、上位陣は高卒からのプロ入りが占めている。

 そのなかで高卒の選手のセーブ数が少ないというのは、意外な事実ではないだろうか。NPBにおいてセーブという記録が採用されたのは1974年となっていることが理由の一つだろう。また、長らく中継ぎの評価が低かったことも影響しているはずだ。しかし近年のプロ野球は分業制が明確となった。今後、高卒の選手もセーブ数のランキングで上位に顔を出すこととなるのだろうか。今後の状況を見守っていきたい。

<NPBセーブ数ランキング>
※日本人選手のみ

1位:(402)岩瀬仁紀西尾東高→愛知大→NTT東海→中日)
2位:(286)高津臣吾広島工→亜細亜大→ヤクルト)
3位:(252)佐々木主浩東北高→東北福祉大→横浜大洋)
4位:(242)藤川球児高知商高→阪神)※現役
5位:(228)小林雅英都留高→日本体育大→東京ガス→ロッテ)
6位:(193)江夏豊大阪学院大高→阪神)
7位:(182)馬原孝浩(熊本市高→九州共立大→ダイエー)
8位:(167)武田久生光学園→駒沢大→日本通運→日本ハム)
9位:(165)永川勝浩(新庄高→亜細亜大→広島)
10位:(165)山崎康晃帝京高→亜細亜大→DeNA)※現役

※数字は6月28日終了時点

(記事=勝田聡

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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