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茨城の強豪・藤代は夏の独自大会へ向けてどう突き進んでいたのか?

2020.06.26

茨城の強豪・藤代は夏の独自大会へ向けてどう突き進んでいたのか? | 高校野球ドットコム
茨城の強豪・藤代は夏の独自大会へ向けてどう突き進んでいたのか?

 紫の帽子に金色のFの刺繍があることで印象的な茨城の名門・藤代。2014年の夏の甲子園に出場したことを最後に全国の舞台から離れているが、毎年、茨城県内で結果を残し続け、昨秋の県大会はベスト8。明秀日立の前に1対2で敗れたが、接戦を演じていた。

 オフシーズン中は、「体力アップはもちろん、常総学院や霞ヶ浦のピッチャーを打ち崩せるように、バッティングにも力を入れてきました」と指揮官の菊地一郎監督は冬場の練習を振り返る。

 その上で基礎的な技術の向上に手ごたえを感じていたが、3月2日から新型コロナウイルスの影響で活動は自粛。3月23日から一時的に再開できたが、4月9日から再び活動自粛。長期間練習ができず、チーム作りのプランが崩れた。

 「ウチの場合は春から夏にかけて練習試合を通じて、試合運びを覚えていくんです。接戦の中で1点をどうやって取るのか。100%の実力を発揮できない中で、どう戦うのか考えるのが、3~5月でした」

 例年通りのチーム作りはできなくなったが、菊地監督は今回の事態を受けてチームでグループLINEを作成。夜の1時間ミーティングとして、選手たちへメッセージを送り、コミュニケーションをとってきた。また自主練習の報告ももらっていたが、「シニアやボーイズ出身の選手は、グラウンドが使えたら、そこに行って練習をしていました」とそれぞれが自己管理をしっかりとしていたことを語った。

 選手たちへ細かな指示は出さなかったが、それぞれでティーバッティングや素振り。ランニング等出来ることは限られていた中で、練習を重ねていた。ただ、5月20日に甲子園の中止が決まってしまった。

 このことについて、菊地監督は選手たちへこのような話をした。
 「3年生のために色んなことをしてくださっていますが、下級生も同じくチャンスを失い、もし事態が落ち着かなければ、今と同じようなことが起きるかもしれないです。ですので、3年生だけが被害者意識を持つのはやめようと。
 そのうえで、今回のことで、今まで当たり前のようにやれていた練習や試合が出来なくなった。それが再び出来ることに、ありがたさや嬉しいというような気持ちをもってやろうと話をしました」

 その中で藤代は6月8日から活動が再開したが、9日に茨城県高野連が独自大会の開催を発表した。このことが菊地監督にとっては大きかった。
 「今年の3年生は下級生が多く出ていたので、支える側になりがちでした。しかし、独自大会で全員に背番号を渡せますので、チームを引っ張る側として活動ができます。また、これまでの努力を認めてもらえるのは、選手の今後に大きなプラスになります」

また、チームの中心として練習試合にも出場するチャンスが例年より多いなど、違った一面があるとのこと。それを踏まえて、「恵まれている部分もありますので、小さなミスを気にすることなく、3年間の成果を発揮できるように準備をしていきたい」と意気込みを語った。

県南地区からスタートする藤代の初戦の相手は江戸川学園取手と土浦工の勝者に決まった。いつもと違う夏に藤代はどんな結果を残すのか。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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