一生忘れられない大会へ。小松商(石川)はチーム一丸で夏を迎える
ミーティング中の様子 ※写真提供=小松商野球部
6月1日、石川県では独自の大会が開催されることが決まった。無観客での開催となるが、5月中旬から分散登校が始まり、6月になり授業が再開した小松商では、部活動が4日より本格的に練習できるようになる。
4月8日から始まっていた自粛期間中、小松商では練習メニューを選手たちに任せ、自主性は育んできた。同時にあえて指示を出さないことで、選手たちが集まって練習しないようにすることで、感染防止にも努めてきた。
それでも選手たち1人1人と電話でコミュニケーションをとるなど、会話を重ねて活動再開を待った。だが、5月20日に夏の甲子園が中止となり、学校でミーティングを実施した。
「中止となって何を話すべきか困りましたが、命の大切さや深刻な状況であることを選手たちに伝えまして、『申し訳ない』と。ですが、この自粛期間で学校や野球、そして家族と色んなことを考える時間があったと思います。また当たり前のことが当たり前ではなくなり、様々なことを考えたと思いますので、そこで養った自主性や主体性に期待をしたい。1人の指導者として、次をどうしていくのか、ということを話させていただきました」
前々から大学の仲間同士で連絡をして、何とか子どもたちの夢を奪わないように、諦めずに考えて出来る方向で頑張ろう」と声を掛け合っていた。竹田先生も「中止はないだろう」と思っていました中での決定に、改めて新型コロナウイルスの凄さを認識させられていた。
それでも竹田先生は選手たちにメッセージを送り、その上で、「どこで区切りを付けるのか。節目をどうするのか、考えて欲しい」という言葉とともに、大学や社会人でも野球を続けて欲しいという願いも語っていた。
こうして夏の甲子園の中止が決まった11日後、石川県は独自の大会を開催する方向になった。竹田先生は4日からの練習再開前に、選手たちにもう一度問いかけた。
「ここまでほとんど身体を動かしていないので、ケガや熱中症に対する不安。また新型コロナウイルスの感染の危険や進路を気にする選手、保護者もいると思うので、代替大会をどうするのか確認をしました。そうしたら『やります』と意志を表明してくれたので、全員で大会に向けて準備をしていきます」
石川県独自の大会は7月11日から。「一生忘れられない大会になると思いますので、成長できるような大会にしたいです」と意気込みを語った竹田先生。小松商は再びチーム一丸となって、4日から最後の夏に向かって練習に打ち込んでいく。
(記事=田中 裕毅)
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