News

高校通算56本塁打の主砲擁する早大学院。連休明けからオンライン授業がスタートも…

2020.05.05

高校通算56本塁打の主砲擁する早大学院。連休明けからオンライン授業がスタートも… | 高校野球ドットコム
薗部将大(早大学院)*昨年秋季大会帝京戦より

 「いい選手も入ってきてくれていて、成長してきたんですけれども、それを見てもらう場がないものだから、困ってしまいますよ。今は、まったく自主トレレベルのことしかやれていません。学校としては、5月連休明けからはオンライン授業が始まるのですけれども、このことで部活動としてはますます活動が出来ない状況になっていくでしょうね」
 そう嘆いているのは早稲田大学高等学院(通称早大学院)の木田茂監督だ。

 早大学院としても学業評価はもちろんのことだが、それだけではなくリーダーシップを発揮できる、秀でた特技を有しているという人物評価などで100人までの自己推薦での相対評価制度も設けられた。そして、その選手たちが成長してきていよいよ迎える今春の大会という意気込みだった。それだけに、残念さは一入だ。

「実は、(早稲田大へ行かないで)そのまま、プロへ行きたいという希望をしている選手もいるくらいなんですよ」

 ということだが、主将となっている薗部将大君は、通算も56本塁打を放っているという長距離砲である。早大学院としては1958(昭和33)年に早稲田大を経て中日入りした大先輩の森徹選手以来のスラッガーと言っても過言ではない逸材であろうか。都内でもトップレベルの入試最難関校と言われている早大学院である。そのほとんどはそのまま早稲田大へ進学していくのだが、早稲田大の直系付属校としての誇りは高い。ただ、これまでは中学での野球の実績などはほとんど考慮されなかった。

 それがリーダーシップを発揮出来るなどのことも考慮してわずかながら、入学可能な幅が出来て、そのことで寮を確保して寮生も何人か抱えるようにはなった。こうして、チームそのものに厚みが出来ていったことで、木田監督としても手ごたえを感じていたところだった。それだけに、今回の対外試合が出来ないという状況はもどかしくて、歯がゆくて仕方がないというのが本音のようだ。

「早稲田の場合、大学の対応が早く、六大学でも一番早く春のキャンプを打ち出しましたよね。そんなこともありますから、直系付属校としてもそれに従わなくてはいけませんから。大学が練習しないので安部球場が空いているから使わせてくださいなんていうことは、冗談でも口に出来ませんよ。3月からは紅白戦も何もやれていないし、オンライン授業が進んでいくとなると、日程的には8月末に試験ということになります。そうすると、実質、野球もそんなにやれないということになってしまいます」

 現状の中では、大会があるかもしれないという考え方と、なくなったとしてどういう対応をしていくのかということを2本立てで考えているという。そして、もし大会がやれないということになった場合は、3年生たちにどこかで「WASEDA」のユニフォームを着させてあげ、試合をさせてあげたいという思いはやはり強く持っている。

 しかも、今年から大学の小宮山悟監督からの指示もあって、ユニフォームの地の色なども大学のものと同じにして文字通り早稲田大の高校版としたという。ただそのユニフォームにまだ袖を通せていない。そのユニフォームで試合が出来ていないということは残念である。

 学校としては、6月から対面授業が可能となれば、そこからは徐々に部活動も再開していこうということになっていくのだが、現状では、今のところ何もわからないという。

「部活動も学校教育の一つという考え方で行くと、オンライン授業をやれているからそれでいいということはありません。都会の子と、寮生で田舎に帰っている子とでは環境も異なります。何とか普通の状況に早く戻ってほしいと思っている」
 正直な気持ちであろう。

(取材=手束 仁

関連記事
徳島県総体協賛ブロック大会中止 2020年の公式大会なしで四国は夏突入へ
長崎はNHK杯も中止が決定。夏の大会は7月9日開幕予定
大学野球も新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期・無観客試合が集中。全国26連盟の動向は?

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.05.02

【四国】高松商、33年ぶりの決勝進出の立役者は茨城の強豪シニア出身の1年生右腕!<春季地区大会>

2024.05.02

【長野】松商学園、長野日大、東海大諏訪などが県大会出場へ<春季県大会支部予選>

2024.05.02

春の神奈川準決勝・東海大相模vs.横浜の黄金カード実現! 戦力徹底分析、試合展開大胆予想!

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.28

【滋賀】滋賀学園、彦根総合が初戦を突破<春季県大会>

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【岡山】関西が創志学園に0封勝ちして4強入り<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>