「代替大会開催を期待して」十和田(秋田)指揮官が甲子園中止となって伝えたこと
十和田の練習模様 ※写真提供=十和田野球部
5月20日に夏の甲子園が中止となり、全国各地で独自の代替大会の開催に向けて日々議論を重ねている。秋田県は現在開催に向けて無観客も視野に入れて検討をしているが、開催を心待ちにしているチームの中の1つなのが十和田高校だ。
TwitterなどのSNSを駆使して普段から活動をしていた十和田は、5月中旬から活動再開。夏の甲子園開催を信じて20日も練習をして準備を重ねてきた。しかし20日に開催中止が決まり、チームを指揮する神居恵悟監督は、練習後にミーティングを開いて選手たちへ通達した。
「中止にはなってしまいましたが、代替大会開催を期待して『まだ中止とは決まっていない』と言うことは伝えました。また甲子園の開催可否は我々では決められないことですので、『悲しい、悔しいという気持ちがあってもブレてはいけない。自分たちが出来る目の前のことに集中して、代替大会開催を期待して続けていこう』というお話はしました」
選手たちは21日から切り替えて取り組んでくれているとのことだが、神居監督は22日に改めて選手たちにこのメッセージを送った。
「主将は20日に手術があって病院にいたんです。22日には退院をしてグラウンドに戻ってきたので、改めて全員に『逆境の中だけど気持ちの浮き沈みとか、野球が出来る出来ないは色んな先輩たちも経験した。そういった先輩たちは続けてきたから、何かを伝えることができているんだ」と。だから、前向きに続けていれば何か残る」ことを伝えた。
そんな神居先生は豊田主将の話を出した。
「20日に手術があって、22日にグラウンドに戻ってきました。高校野球に対しても強い想いをもって取り組んできましたので、ケガと甲子園中止が重なって落ち込んだと思います。しかし責任感とか思うことがあっても仲間の前では出さない。リーダーとして弱みを見せないように頑張っているので、夏が終わってからゆっくり話をしたいと思います」
リーダーとして、そして1人の野球人として成長する機会だとみて、神居監督は見守っている。それは豊田主将だけではなく、他の選手も同じ。選手それぞれが自立できるよう、高校野球を通じて何かを伝えようとしている。それに気がつくのは先になるかもしれないが、今は集大成の舞台が実現することを願うばかりだ。
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