食べものの好き嫌いとアレルギー
卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生の7食品はアレルギーの原因となる特定食材としてを表示を義務づけられている
より良いパフォーマンスを支えるためには練習することはもちろんですが、適切な休養、栄養が大切です。特に栄養面では毎日の食事で、「どれだけ食べたか」という食事量だけではなく「何を食べるか」という食事内容も重要になってきます。
体を動かす原動力となるエネルギー源や、体をつくる材料となるべきもの、そして免疫や体の調整機能を司るための栄養素など、体に必要な栄養素は食事からとることが基本です。ところが食事で出されるものの「好き嫌い」が多くあると栄養バランスが偏って、「体にスキ」が見られることもあります。
まずは「食べられないもの」「あまり好きではないもの」を克服できないか考えてみましょう。体の成長とともに味覚も発達していくため、子どもの頃に食べられなかったものでも、口にしてみると意外と大丈夫だったと印象が変わることもあります。
「食わず嫌い」のものは、今現在も食べるのがむずかしいかどうかを確認してみましょう。また食感が苦手という場合は調理法を変えてみることで食べることができる場合もあります。どうしても食べるのがむずかしいものは、栄養面で代わりになるものを意識してとるようにすることも検討しましょう。
また注意しなければならないのは食物アレルギーです。中には特定の食べ物に過剰に反応してしまうアレルギーを持つ選手がいます。食物アレルギーにはアナフィラキシーショックと呼ばれる即時型(通常2時間以内)アレルギー反応と、食後数時間〜数日後に頭痛やめまい、腹痛、下痢、疲労感、アトピー様の皮膚疾患などの症状が現れる遅発型フードアレルギーがあります。
即時型のアレルギー反応にはアナフィラキシーショックと呼ばれる緊急を要するケースもあります。じんましんやむくみなどが気道などでも起こると喘息発作のように咳が止まらなくなり、呼吸困難におちいることもあります。このような時はすぐに救急車を手配しましょう。
食事は好き嫌いなく食べることが基本ですが、選手を預かる指導者はその好き嫌いがアレルギーによるものなのか、嗜好によるものなのかを把握しておく必要があります。また苦手な食べものを減らすことは栄養バランスの改善につながりますが、無理強いは禁物です。食べられないものをムリに食べるのではなく、代わりとなるものを上手にとりながらより、体にとって良いコンディションを目指しましょう。
参考ページ)
JFA日本サッカー協会 メディカルインフォメーション 命を脅かす食物アレルギー
文:西村 典子
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