県立高松商(香川) 結束のキーワードは監督発信の『あの』ポーズ!
高松商・長尾 健司監督
昨年は最速142キロ左腕・香川 卓摩(現:JFE西日本)らを擁し春夏連続甲子園出場を果たした名門・高松商。昨秋は香川県大会準々決勝で大手前高松に5対8と逆転負けを喫した悔しさを糧に春の県大会では優勝を期していたが、大会は無念の中止。現在は学校も5月8日(日)までの臨時休校措置中。野球部も含めた部活動も停止中で、選手たちは忍耐の時を過ごしている。
「今まで経験したことがない、なかなか難しい状況です」と電話取材に対し素直な感情を語るのは就任7年目を迎えた長尾 健司監督。植田 響介(現:慶應義塾大4年)を4番に2015年には明治神宮大会初優勝、2016年はセンバツ準優勝を成し遂げた知将も、チーム構築には苦慮している模様だ。
しかし、それでも前には進まなくてはいけない。そこで常日頃からバッティング投手、捕食づくりなど自ら「選手ファースト」で行動を起こしている指揮官は、部活動停止中にLINEを通じてコミュニケーションを取っている選手たちを元気づける行動に打って出た。
ある日には誰もいない学校グラウンドをダッシュ。ある日には無人のトレーニングルームで筋トレ。そして最後は「熱男!」そう、福岡ソフトバンクホークス・松田 宣浩選手が発信している元気付けポーズである。
そんな選手たちのモチベーションアップに努めたのは指揮官だけではない。佐々木 英二副部長は選手たちを元気づけるため、昨夏の香川大会決勝戦前日に必勝を期して行った学校から金刀比羅宮(香川県琴平町)までの30キロ走を再び敢行。動画で「頑張れ!」とエールを送った。
このような指導者たちのエールに対し、選手たちも「ある動画」でレスポンスを返してきた。そこには選手たちがキャッチボールやティーバッティングで一言を添えてから1つのボールをつないていく様が。最近、JABA日本野球連盟公式サポーターYoutubeに8回シリーズでUPされた「今、僕たちにできること」風にまとめられたリレーによって、チームの結束は間違いなく高まったのであった。
現在のところ高松商野球部の部活動再開は5月9日(土)の予定。「初フリーバッティングからレフト後方の道路を挟んだ中学校まで飛ばすほどパワーは凄い。夏はクリーンナップもあると思う」と指揮官も大きな期待を抱く中学通算55本塁打、侍ジャパンU―15日本代表も経験した浅野 翔吾(捕手兼外野手・172センチ83キロ・高松市立屋島中出身)など、ニューフェイスも加わった名門は、2年連続の夏香川頂点を目指し「熱男!」を旗印として疾走に入る。
記事=寺下 友徳
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