「夏のための活動自粛」。21世紀枠出場の帯広農の現在
ベンチの前で円陣組む帯広ナイン ※写真は昨秋の全道大会から
選抜の中止が決まった3月11日から1か月が過ぎた。新型コロナウイルスの猛威が止まらず、全国に向けて非常事態宣言が発令される事態となった。春季大会も相次いで中止となっており、夏の大会開催も不安が残る。
選抜に21世紀枠で出場するはずだった帯広農は、2月29日から自粛が続いていたが、4月8日から40日ぶりに練習が再開。全道大会が中止となり、夏への一歩を踏み出していた。「バッティングなど、動きに関しては悪くなかった」と前田康晴監督も選手たちの動きを見て安心をしていた。
「選抜に選ばれたおかげで高いモチベーションで練習をやれていたかと思います」と選手たちの自主練習の取り組みを評価。最初の2日間は練習と並行してグラウンドの整備などをしながら環境を整え、3日間の休校を挟み、16日まで2班に分けて様子を見ながら練習の強度を上げている最中だった。
しかし16日に全国に向けて緊急事態宣言が出たことで、帯広農は再び活動を自粛することをいち早く決めた。そこには前田監督の夏の大会への強い思いがあるからだ。
「結局、夏の大会はやりたいので、そうしたら練習をすることに欲を持たずに終息させるための努力が必要だと思います」
練習ができないことは「可哀そうだ」と前田監督は感じているが、それ以上に夏の大会ができないことを阻止する必要がある。だから帯広農は無理に練習をするのではなく、夏のために活動を自粛するのだ。
そして選手に関しても、周りへ迷惑をかけずに、1人で練習をすることを既に伝えている。そうすることで心身ともに鍛えられることを期待している。
「1人で練習をするには気持ちが強くないといけないので、強い気持ちで計画を立てて練習をすることで心身を来たられると思うんです」
今回の緊急事態宣言で公立、私立関係なく活動が自粛になることが考えられる。しかし今回のことで全校が足並みをそろえて自粛することが、夏の大会開催に繋がることを祈りたい。
関連記事
◆第23回 流通経済大学【前編】「走塁は野球観を広くし、上手くなるコツが詰まっている」
◆流通経済大学【後編】「盗塁が上手くなるには勇気と成功体験を持つこと」
◆第5回 前橋育英の「カルテット」に要注意!超強力投手陣で春の頂点を目指す!