「厳しいかな」と正直思っていた。名将・迫田守昭監督(広島新庄)の心境と選手たちへのメッセージ
広島新庄・迫田守昭監督
史上初となる大会中止となる第92回選抜高等学校野球大会。新型コロナウイルスの影響でやむを得ない結果となってしまったが、各校の監督に話を聞くことができた。そのうちの1校が広島新庄だ。
多くのプロ野球選手を輩出した迫田守昭監督は今回の結果を受けて、「4日の段階では『何とかやってくれるんじゃないか』と期待をしておりました。ですが、それ以降はコロナウイルスの感染拡大を見ていると終息に向かう様子ではなかったので『厳しいかな』と正直思っていました」と胸の内を明かした。
広島新庄では開幕しても十分戦えるように、時間に制限がありながらも最大限出来る練習を重ねてきた。11日もいつも通り練習をしていたが、練習終了のタイミングで選手たちを集めて、迫田監督自ら選手たちへ中止になったことを伝えた。
「がっかりして残念にしている選手もいました。しかし今の選手たちは引きずらないのが良いところですので、そこに期待をしたいと思います」
しかし、今回のコロナウイルスの問題が起きた2月あたりからからチームはもちろん、選手たちの成長を迫田監督は肌で感じ取っていた。
「選抜に出られることで力が入っていたのかもしれないですが、それ以上に不安がありながらも代表校として責任をもって練習を重ねてくれました。そういったところに選手たちの強さが出てきましたので、『これまでやってきたことは無駄ではないし、君たちはずいぶん成長したよ。今度は夏にもっていこうぜ』と伝えました」
選手たちの成長を評価した迫田監督。今までは午前中に勉強をし、午後から2、3時間を目安に練習をしてきた広島新庄。今後もそのスタイルを変えずに、いつも通りの生活をしていく予定だ。
「広島ではほとんど感染者がおらず、中国地区も少ない現状です。また寮生活では手洗いや朝晩で体温を計っていますので、出来れば残したいと思っています」
今回の出来事をバネに、夏の甲子園に広島新庄が戻ってくることを強く願っている。
(記事=田中 裕毅)
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