西純矢は1回1失点のプロデビュー、チームの先輩・6投手の現状は?
阪神タイガースの西純矢(写真は創志学園時代)
阪神は昨年のドラフト会議で支配下で6人の選手を指名したが、そのうち5名は高校生だった。なかでも2位で指名された井上広大(履正社高校)は一軍のオープン戦で適時打を放つなど、大物ぶりをアピールしている。
一方でドラフト1位の西純矢(創志学園高校)はどうだろうか。オープン戦での出番こそないものの、関西国際大学とのプロアマ交流戦でデビュー。四球の走者を適時二塁打で還され、1回1失点の内容だった。今後は二軍でトレーのングを続けながら一軍昇格の時を待つことになる。一方、ドラフト3位の及川雅貴(横浜高校)は対外試合への登板はない。
2009年のドラフト以降における阪神の高卒投手の現状を見ると、2012年ドラフト1位の藤浪晋太郎(大阪桐蔭高校)が代表的な存在だ。入団から3年連続で2桁勝利を達成し、将来のエースとして大きな期待を背負っていた。しかし、ここ数年は制球難で苦しみ、昨シーズンはプロ入り以来初めて未勝利に終わってしまった。
そんな藤浪は3月11日のヤクルト戦で4回無失点の内容。右打者に対する死球すれすれの抜け球が数球あり、制球難が改善されたとはいえないものの、数字だけ見ると先発ローテーションに入ってきてもおかしくはない状況だ。
2009年ドラフト4位の秋山拓巳(西条高校)も復活を目指している。プロ入りからなかなか芽が出なかったものの、プロ入り8年目となる2017年にブレイクし12勝をマークした。昨シーズンは4勝に終わったが、3月13日のオープン戦に登板すると5回無失点の内容で大きなアピールを行なっている。
2010年育成ドラフト2位の島本浩也(福知山成美高校)は、オフシーズンに手術を受けており復帰を目指している段階だ。
2015年ドラフト4位の望月惇志(横浜創学館高校)は昨シーズンは8試合に登板し、そのうち先発は5試合だった。今年も先発ローテーション争いに入るかと思われたが、現時点では中継ぎ調整。今後はその他の投手との兼ね合いとなりそうだ。
その他では2016年ドラフト3位の才木浩人(須磨翔風高校)と同4位の浜地真澄(福岡大大濠高校)が、一軍入りを狙っている。とくに浜地は昨シーズン、防御率こそ6点台と苦しんだが、21試合に登板しており2勝を挙げた。今年も中継ぎとして一軍入りを狙っている。
2018年ドラフト5位の川原陸(創成館高校)は2年目の今年、一軍デビューの年になるか。
西や及川はチームの先輩たちに追いつき、追い越すことができるだろうか。
(記事=勝田 聡)
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