小中高指導者が集い「第1回徳島県野球指導者研修会」開催!
多くの秘話も交え熱く語った川村 卓・筑波大准教授・硬式野球部監督
2020年1月11日(土)徳島県徳島市の「ホテルグランドパレス徳島」において「第1回徳島県野球指導者研修会」が開催された。これは少年野球チーム、中体連所属チーム、中学硬式野球チーム、高校野球部の各カテゴリーから約90名の指導者たちが「顔を合わせて最新の情報を共有し、意見交換をしていく」(須崎 一幸・徳島県高等学校野球連盟理事長)画期的な試みである。
研修会は2部構成。第1部では1週間で公式戦投球数500球以内、3連投禁止の答申をまとめた日本高等学校野球連盟「投手の障害予防に関する有識者会議」メンバーであり、日本における野球動作解析の第一人者である川村 卓・筑波大体育系准教授(同大硬式野球部監督・侍ジャパン大学代表コーチ)が「発達段階に応じた野球のトレーニング学」をテーマに講演。
「昔は子どもたちは自然に野球のルールを覚えていたけれど、今は打ったら三塁へ走るのが半数。どうやって遊びの中でルールを覚えていくかが課題」という子どもたちの実情や、「彼は夏に筑波大で練習した時も、まだ生物学年齢的には成長段階にあった」最速163キロ右腕の千葉ロッテマリーンズ・佐々木 朗希投手(大船渡<岩手>)の逸話なども交えながら、約1時間20分にわたり小中高の12年間でどのような投げ方の指導カリキュラムを組めばよいかなどを伝授した。
続くパネルディスカッションでは川村氏に加え、スポーツ整形外科医の権威として知られる松浦 哲也氏(徳島大)、少年野球から野村 隼人氏(福井若竹監督)、中体連軟式野球から原 裕則氏(徳島市国府中監督)、中学硬式野球から白石 静生氏(徳島中央リトルシニア総監督)、高校野球から森 恭仁氏(鳴門渦潮監督・徳島県高野連監督会会長)の計6名が登壇。各カテゴリーの現状における課題、野球界の最新情報なども披露・共有しながら1時間余り活発な意見を交わしている。
なお、この指導者研修会は少しずつ角度を変えながら継続していく予定。野球人口の減少がますます顕著化するであろう、2020年「東京オリンピック・パラリンピック後」の野球界に新たな一石を投ずる意味においても、今後の展開に注目していきたい。
(取材=寺下 友徳)
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