ハムストリングスを鍛える!
肉離れを防ぐためにも、ハムストリングスは自重やウエイトなどを使って鍛えよう
ランニング量が増えたり、疲労がたまった状態で急激な切り返し動作などを行うと、太もも裏側にある筋肉=ハムストリングスを傷めることがあります。一般的に言われる「肉離れ」とは、筋肉を構成する筋線維の一部が傷んだり、部分的に断裂したりすることを指します。
肉離れを起こす原因はさまざまですが、考えられるのは筋肉の柔軟性が低下していることや、筋疲労、筋力のアンバランスなどです。ハムストリングスは特に肉離れを起こしやすい部位といわれていますが、太ももの前側にある大腿四頭筋の筋力に対し、太もも裏側の筋力が弱く、大きな力で伸ばされることが肉離れを引き起こす一因と言われています。またウォームアップ不足による筋温の低下や、外気温が低い状況でもケガをしやすくなります。
ハムストリングスの筋力を高めるためのエクササイズはいくつか挙げられますが、自重でも手軽にできるものとしてはヒップリフトが挙げられます。膝を曲げた状態で仰向けに寝転がって、体のラインが横からみてまっすぐになる位置までお尻を持ち上げるものです。
運動強度としてはさほど大きくありませんが、かかとの位置をお尻から遠ざければ遠ざけるほど、ハムストリングスに負荷がかかるようになります。また慣れてきたら片脚ずつ行うこともできますし、ダンベルやプレートなどをお腹の前で保持してお尻を持ち上げるようにすると、さらに強度が高まります。
ウエイトなどを用いる場合は、デッドリフトの一つであるルーマニアンデッドリフト(RDL)などが比較的取り組みやすいと思います。通常のデッドリフトは膝と股関節を使って重りを持ち上げるのですが、RDLでは膝をあまり使わず、股関節を曲げたところから伸ばす動作を使って重りを持ち上げます。
初めて取り組む場合は重さの設定を軽めにし、腰が曲がらないように気をつけながら少しずつ強度を上げていくようにすると良いでしょう。
文:西村 典子
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