News

来春の選抜から1週間500球以内に!昨春優勝の東邦から見えるエースをうまく使うコツ

2019.11.29

来春の選抜から1週間500球以内に!昨春優勝の東邦から見えるエースをうまく使うコツ | 高校野球ドットコム
東邦の主戦を担った石川昂弥

 来春選抜から1週間以内に投球できる球数が500球以内に決まった。また、有識者会議でも話題になっていた3連戦回避も組み込まれる。

 今回、1週間500球以内がどういう感じなのか、あまりイメージがわかない読者の方もいると思うので、まず今年の選抜優勝した東邦をモデルケースに考えてみたい。

3月26日(火)対富岡西
石川昂弥 164球 9回

3月30日(土)対広陵戦(中3日)
石川昂弥  101球 6回 計265球
奥田優太郎 16球  1回
植田結喜  26球  1回
道﨑亮太  12球  1回

3月31日(日)対筑陽学園戦(中0日)
石川昂弥  89球 7回 計354球
奥田優太郎 30球 2回 計46球

 続く準決勝が4月2日(火)となったため、この時点でリセットとなる。
 そして準決勝・決勝は以下の通り。

4月2日(火)対明石商
石川昂弥 143球 9回 計143球

4月3日(水)対習志野
 
石川昂弥 97球 9回 計240球

 石川は選抜大会で594球を投げたことになるが、1週間500球以内ならば、東邦の例を見ればわかるように、点差が開いた段階でエースを温存できるほどの実力派の投手がいれば、1人のエースを中心とした投手運用ができるといえる。

 こうしてルールを設けることで、数字を意識しながら運用できるようになったのは一歩前進といえるが、夏の甲子園になると、チームによって試合間隔のばらつきが激しくなること、特に過酷な真夏の中で、同じ投球数のままでいいのか、現行のルールからまだ見直しする必要性はあり、議論は必要だ。

 この決定はシーズンオフ直前に決まったことは喜ばしい。もしシーズン中の決定ならば、チーム作りの在り方を見直さなければならないからだ。今の時期ならばまだ複数投手作りに向けた戦略を練ることができる。

 こうしたルールにうまく順応できるのは昔から複数投手制を敷いているチームだろう。それが次回に紹介していく選抜準優勝の習志野である。

(記事=河嶋 宗一

関連記事
手術件数年間200件、「球数制限はせざるを得ない状況になっている」古島弘三医師インタビュー
大学野球に進んだ投手で故障の経験がない投手はほとんどいない 川村卓監督(筑波大)が現状を語る
「投球数制限」本当に部員数の少ない高校や、投手1人の高校は不利になるの?

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.05.02

【長野】松商学園、長野日大、東海大諏訪などが県大会出場へ<春季県大会支部予選>

2024.05.02

【四国】高松商、33年ぶりの決勝進出の立役者は茨城の強豪シニア出身の1年生右腕!<春季地区大会>

2024.05.02

春の神奈川準決勝・東海大相模vs.横浜の黄金カード実現! 戦力徹底分析、試合展開大胆予想!

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.28

【鳥取】鳥取城北が大差でリベンジして春3連覇<春季県大会>

2024.04.28

【岡山】関西が創志学園に0封勝ちして4強入り<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>